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「七光りから始まっている」柄本時生が明かす、将来の野望と兄貴への思い

暮らし

東出さんとは「ご無沙汰です」の感覚

柄本

――一方で東出さんはどうですか?

柄本:兄貴(柄本佑)の嫁(安藤サクラ)と同じ事務所ということもあるかもしれませんが、なんだか近しい感じを勝手に覚えています。下北沢の飲み屋さんでお会いして、知り合いばかりだったからって、そのままご一緒することもあります。

 そういえば初めてお会いしたときにも、なぜか「ご無沙汰してます」の感覚でしたね。義姉とか周囲から話を聞いていたからかな。初めての感覚がありませんでした。

――安藤サクラさん主演の『百円の恋』も担当されていた松浦慎一郎さんが、本作のボクシング指導ですね。そうしたお話はご家族でしますか?

柄本:しますね。ただ、松浦さんは、『アンダードッグ』も『あゝ荒野』も、舞台版の『はじめの一歩』も、現在の日本のボクシング作品にはだいたい携わられています。だから、「ボクシング映画をやるよ」「じゃあ、松浦さん?」とラリーのように返ってくる感じです。

自分は七光りから始まっている人間

柄本

――本編にも「才能」に関することが描かれますが、柄本さんは役者として生き残っています。「才能」について考えることはありますか?

柄本:僕の場合は、所詮二世。七光りから始まっている人間ですから、運がいいだけで、やらせていただいている人間だという思いが、いまだにあります。

――七光りだけでは生き残れないと思います。ただ柄本さんの場合は、家族に役者が揃っていて、ちょっと特殊な環境ですね。

柄本:ちょっと違うのかなというのは、最近やっと感じるようになりました。昔から両親が芝居をしていて、兄ちゃんも始めて、一番上の姉貴も製作側の人間ですし、結局、家での会話が現場での話しかないんです。うちの家族は全員同じ業界で仕事をしているから、会話のタネが1つで済んじゃう。「今度、誰と会うからよろしく言っておいて」とか「今度はこういう作品をやる」とか。

 ただ、地元の友達とか、家族以外の人と話をすると、途端に内容についていけなくなって、話せなくなっちゃうんですね。だから、うちの家族は「会話の内容を持ってないんだ。世間を知らないなぁ」ということにやっと気づいてきています。

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