“大阪・出汁カレー”がコロナ禍で東京移転。店主の決意「面白そうなんで」
関西の人気店が続々と進出し、新たな賑わいを見せる東京カレーシーン。そんななか、私カレー研究家のスパイシー丸山が今後のシーンを占う上でも重要な存在になるのではと思っているのが、東京都中央区八丁堀にある「ジャパニーズスパイスカリー ワッカ(WACCA)(@sekime_wacca)」。
大人気だった大阪のお店をたたんでまで、なぜ東京に移転オープンしたのか。店主の三浦智輝さんに大阪のカレー事情や東京移転のきっかけなどを聞いてみました。
“出汁カレー”は東京になかった
――人気メニューの“大阪出汁カレー”。詳しい人ならピンときますが、食べたことがない人はイメージしづらいと思います。どういう食べ物なんですか?
三浦智輝さん(以下三浦):素材感を強調するカレーが数年前から大阪で流行りだしていて、特に“出汁感”がファーストインパクトで感じられるカレーを出すお店が増えてきたんですね。それが出汁カレーという呼び方で定着していきました。
カレーうどんも出汁を効かせますが、大阪の出汁カレーはベースにあるのがインド式というのがわかりやすいでしょうか。普通に仕上げたらインドカレーになりますよっていうカレーに出汁を加えています。
2020年2月に東京の早稲田でウチと「元祖エレクロトニカレー」と「スパイスカレー旬香唐」という大阪の3店舗が出店して、全部出汁を使ったカレーを出すイベントをやりまして、すごくウケが良かったんですね。リサーチしてみると、東京にはないなと。だったら出汁カレーを知ってもらうためにメニューとして組み込んでみようかなと思ったんです。
土曜限定で海鮮丼カレーを提供
――最近は週末にユニークなカレーを出しているみたいですが。
三浦:土曜限定で海鮮丼カレーというのも出していますね。見た目はホント海鮮丼。生の海鮮を9割ほど使っていまして、刺身がごっそり上に乗っています。エビのマサラとかカチュンバルなどと合わせて食べるんです。
――すごい、刺身がごっそり乗ったカレーですか! ところで、ここまでカレーが人気なのに大阪時代はカレー店ではなくイタリアンバルだったと聞いていますが。
三浦:商店街の中でイタリアンバルとして営業してました。もともとウチの父親が料理人ではないもののイタリアかぶれで、しょっちゅうイタリアに行っては家でイタリア料理を作っていたんです。その影響でボクも料理を作るようになっていたんですよね。
就職は全然違うところにいったのでしばらく離れてましたが、自分が作ったものを喜んでくれるのが凄くいいなっていうのがあって。友人にイタリアンのお店をやっている人もいたんで、そこで勉強させてもらいながらお店をオープンさせました。それが2012年。6~7年間はピザとかパスタを出すイタリアンの店をやっていました。