ツイッター「クソリプ防止機能」に賛否両論。恩恵は著名人だけ?
この変更に意味はあるのか
テレビタレントなどの著名人にしたって、フォロワーからの反響を誇示することを目的にTwitterをやっているわけだから、新機能を使うケースは稀だろう。ただし、著名人や企業のアカウントが不祥事の謝罪文を掲載するような場合には、新機能によるリプライ抑制を試みるものと思われる。
なお日本では今年5月、リアリティ番組『テラスハウス』の出演者がSNS上で中傷を受け、自殺したとされる事件が問題となった。
この仕様変更の背景に同事件を思い出したユーザーも多いかもしれないが、新機能の採用は世界一律であり、日本固有の事情に配慮したという可能性は低そうだ。
流れに逆行した仕様変更
2010年頃の話になるが、まだSNSの主流が「mixi」だった頃、Twitterは「SNS」ではなく「ミニブログ」と称されていた。スマホアプリから触っていると気にならないことが多いが、Twitterではツイートごとに個別のURLが発行され、Webページとして公開される仕組みになっている。これは長文のブログサイトと同じだ。
かつてのmixiが会員制のクローズドなSNSだったのと比べ、Twitterの世界では「鍵垢」(非公開アカウント)のほうが少数派である。投稿が原則的に秘匿されるmixiと、投稿が原則的に公開されるTwitterとで、仕様の違いに戸惑ったユーザーもいたことと思う。
さて、Twitterがブログと同様にWorld Wide Webの一部である以上、公開設定のアカウントで投稿したツイートについて、“引用されない権利”や“リンクされない権利”というのは存在し得ない。
これに関してはTwitter側も、リツイートや引用ツイート、外部サイトへの「ツイート埋め込み」といった機能を用意し、第三者が引用や言及を行いやすいように工夫してきた。今回の仕様変更は、この流れに逆行しているようにも思える。