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ツイッター「クソリプ防止機能」に賛否両論。恩恵は著名人だけ?

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“誹謗中傷”が一番の問題なのか

 ところで昨今は、「誹謗中傷」という言葉が以前よりも広い意味で捉えられるようになり、相手が誰であれ「否定的な意見は言いにくい」という風潮が生まれつつある。

 しかし、そもそもWorld Wide Webとは、同意や肯定的な意見、気持ち良い言葉だけを受け取るための場所ではなかったはずだ。

 オンラインでやり取りされる「通常のコミュニケーション」には、批判や否定、対立意見の提示といったものも含まれているべきである。それを拒絶したいならば、「表層Web」全般をさらう視線から保護される非公開アカウントを選択すべきだろう

今より窮屈になってしまうかも

落ち込む男性

 今般のTwitterの仕様変更には懸念が残る。新機能の利用が進むと、論争を伴うような話題について、リプライ欄に対立意見を掲示することができなくなってしまう。引用ツイートの作成は依然として可能だが、そちらの場合、ユーザーの目につく割合が低い。

 もしもこの「リプライ抑制」のような機能の実装が進んでいくと、いつか我々は、Twitterで拡散されるフェイクニュースやカルト思想を否定することさえできなくなるかもしれない

 その先にあるのは、「みんな仲良く」ということだけが金科玉条とされる、窮屈な“和諧(わかい)社会”的ネット空間である。願わくば杞憂であってほしいものだが。

<TEXT/ジャンヤー宇都>

「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

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