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JR東日本、コロナ禍でも揺るがない「IT・Suica事業」のスゴさ

ビジネス

重点事業「IT・Suica」のすごさ

 Suicaは街中のコンビニや自販機で気軽に使うことができます。また、「かざすだけ」で1秒以内に決済が完了するので、QRコード系の決済システムよりも簡便でわかりやすいく、誰でも迷わずに使えるシステムです。そのうえ、ICチップ式のため、セキュリティ面も保障されています。

 Suicaが世に出て20年経ちましたが 、大きな情報漏洩トラブルをほとんど見聞きしないのがその例証です(強いて言うなら2013年に乗降情報の社外提供についての騒動がありましたが、現在は社外提供を拒否するための窓口も整備されており 、大きな問題はないように感じます)。

 そのため、直近は乗客減の影響を受け、苦しい局面もあるでしょうが、もともと経営状態は良く、JR東日本の格付けはAA+と、上から2番目に高い評価です(格付投資情報センター調べ) 。

 その状況で早期に社債発行のリリースも出し、事業環境変動への準備も進めています。予後は大方の予想よりは良いと言えるのではないでしょうか。

口コミサイトからみえる現場の声

東日本

図 5 JR東日本の口コミトップ(openworkより引用)

 さて、働く側としてはどうでしょうか。実際に働いた時の所感を把握するために、口コミサイトを確認していきましょう。

 各種口コミサイトは転職支援事業をビジネスにしており、各企業がクライアントにもなっている関係上、著しい悪評は公開されないようになっています。その制約を踏まえて、現場の声を確認していきます。

 JR東日本の場合、現場業務の比重も高いため(「現業」と呼ばれる駅勤務の社員・乗務員)、社員とアルバイト両方について確認します。まず、社員の口コミについて整理します。

良い点:
・安全・コンプライアンス意識が高い
・平均年収715万円 と水準が高め
・福利厚生が充実している

気になる点:
・必要な社内調整量が特に多い
・前例主義が強い
・研修の量が多く、期間が長い
・利益を上げる意識が低い社員も多い

 良くも悪くもいわゆる「昔ながらの日本企業」の特徴が十二分に出たクチコミでした。産休・育休の制度は整備されていて、実際に恩恵にあずかっている人もいるようです。

 しかし、現業(駅勤務)はもともと泊まり勤務がある形態であり、勤務形態との折り合いがつかないケースもあるというのが鉄道会社ならではだと感じました。決められたことをコツコツ、サボらずに実行できるタイプが活躍しやすい職場であると考えられます。

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