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自粛ムードで「コロナ疲れ」…学生・大学教員は苦渋の決断<常見陽平>

学び

「コロナ疲れ」でジワジワと心にダメージが…

 公私ともに、私の周りで起こっていることについてまとめてきた。企業においても、在宅勤務などの対応が目立つ。学校の休校もあって、仕事と育児の両立で大変なこともあるだろう。私たちは今、何をすればいいのだろう。

 まず、私は「コロナ疲れ」を解消することをおすすめしたい。いつもよりも予定が減り、通勤がなくなったとしても、「疲れている」と実感する人はいないだろうか。実際、私はこれだけ予定が飛んだのにもかかわらず、いつもよりも疲れている。

 なんせ、暗いニュースばかりである。しかも、見えない敵と闘っている。やや不謹慎に聞こえるかもしれないが、地震、台風、大雨などの災害は被害状況が見えやすい。

 でも、感染症は文字通り目に見えない。今回の新型コロナウイルスも、感染した際のダメージというよりも、感染力の高さ、感染した際の対応が課題となっている。

 コロナウイルス感染リスクだけでなく、経済の混乱が冷静になろうとしてもジワジワ心にダメージを与えてくる。気休めにしかならないかもしれないが、できるだけ冷静になること、気晴らしの場を設けることを提案したい。

リモートワークは万能ではない

テレワーク

「これで一気にリモートワークが進む」「日本の働き方に風穴をあける」という言説もある。わからなくはないが、リモートワークは万能ではないこと、そして多くの人がいつもとは違う環境で働きストレスをためている可能性があることも直視したい。

 特にリモートワークは積極的に導入してきた企業でも、定着するまでに何年もかかっている。ルールとツールが必要だし、それも常に見直さなくてはならない。

 今回のコロナ対策で導入は進むだろうが、問題が発生しやすい状態だとも言える。「やっぱりリモートワークは使えない」という話にならないように、問題を共有しつつ進めたい。

 というわけで、辛い状況ではあるが「コロナ疲れ」には気をつけよう。きっと春はくると信じて。

<TEXT/常見陽平>

働き方評論家。千葉商科大学国際教養学部准教授。1974年、北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。『社畜上等!――会社で楽しく生きるには』など著書多数
■Twitter:@yoheitsunemi

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