「自家製ヨーグルトメーカー」を辛口判定!専門家が味よりも気になったのは
1リットルのヨーグルトを作るのに9時間…
プレーンヨーグルトを作るためには、1リットルの牛乳パックとプレーンヨーグルトを用意する必要があります。ちょっと待って。これで1リットル分のヨーグルトができることを想定すると、決してコスパはよくありませんよね。「牛乳1リットル+プレーンヨーグルト1個」と「プレーンヨーグルト2個」は一体どちらがお得なのでしょうか……。
そして最も難関なのが、製造する前のすべての器材(スプーン、混ぜ棒・牛乳パック用クリップなど)を熱湯消毒しなければならないこと。ヨーグルトを製造するために必要なのが「42度」という温度で、これは雑菌をも増殖させてしまうため、それらを滅菌させる作業が必要なのです。
もちろん、使用するヨーグルトも、使いかけの雑菌リスクのあるものは使えません。これをめんどくさいと感じる人は絶対に少なくないはずです。
そしてスタート。なんと完成までに9時間もかかるんです……。これ、どうなんでしょうか? 衛生上の観点からも、完全に清潔な状態のヨーグルトを作ることはできませんし、時間もかなりかかる。
私はバイオサイエンスを学んだ端くれの立場としても、この製造方法はベストではないと感じてしまいますし、何よりおいしいヨーグルトになるのか……。とにかく9時間後の仕上がりを見てみましょう。
しっかり固まっている!でも美味しいかは謎
牛乳パックを開いたところ、サラサラだった牛乳がしっかり固まっていました。一口食べてみると、ちゃんとヨーグルトとして成立していますが、雑菌のことを想像してしまう(熱湯消毒はしましたが)せいか、美味しいかどうかはもはや良くわかりませんでした。
でもこれ、平日夜に準備して、翌日夜に帰宅したら24時間近く42度になっているということですよね。夏場などは特にちょっと恐ろしいと思いませんか?
これまで色々な実食・試用レポをしてきて、否定寄りの評価をしたくないタイプではありましたが、正直なところ、忙しい若者に適した家電としては絶対にオススメできませんでした。ごめんなさい!
ただし、自分でゼロから作ってみたい! 実験が好きな人にとっては楽しいかもしれません。リアルなメリット・デメリットの洗い出しとして参考レポートにしていただければ幸いです。
<TEXT/スギアカツキ>