ペットとしてのうさぎの魅力と飼育の注意点。専門誌編集長が語る
“室内派”と“交流派”にタイプが分かれる
迎え入れたうさぎの性格によって暮らし方は大きく変化するとのことだ。再び、同誌編集長の篠田氏が語る。
「飼い主さんもいろいろで、外が嫌で人知れず室内で飼って蜜月の関係になっていく人と、イベントでうさ友さんを作り、積極的に交流する人に分かれます。かつて卯年の際(2011年)に、マスコミの影響でうさぎがちょっとしたブームになり、うさぎを散歩させる“うさんぽ”が流行ったんです。ただ、他の動物もいる公園などで散歩することは、かえってストレスになると問題視されました。確かに外出が好きで嬉しいという個体もいますが、3分の2くらいのうさぎは散歩や外出が大きなストレスになっています」
うさぎは、犬や猫と同様、ダニやノミによる病気のリスクもあり、予防や対策が必要な上、もともと散歩はしなくても問題がない。獣医師や専門店も散歩を積極的には薦めていないそうだ。
手軽なようで大変なお世話
昔は学校の飼育小屋でも飼われていたうさぎだが、獣医師などからの指導もあり、現在は学校も率先して飼うことはなくなっている。本来は夏場に弱く、室温も一定に保つ必要がある。
そして、被捕食動物のため、想像以上に胃腸障害の病気や歯の病気など、デリケートな性質も多く、治療費や光熱費など、費用面では犬や猫と同様に覚悟しておいたほうがいいようだ。
「メインの食事は、繊維質が高い、硬く乾燥させたイネ科の牧草で、牧草を食べないと胃腸のはたらきが悪くなって命に関わるので、“あげ放題”が常識になっています。一番刈りの値段もピンキリですが、目安としては1匹飼育で食費にかかるのは約月5000円~1万円くらい。『意外とお金が掛かりました』という声がよくありますね」
最近では平均寿命も10年ほどに伸びているそうだが、その愛らしさとは裏腹に『プレイボーイ』のロゴに起用される程、繁殖力が強いという話も有名だ。
「繁殖力が強いのは本当で、メスは子宮や乳腺の病気に、オスは高齢期に睾丸の病気にかかりやすいです。ですから、うさぎを診られる動物病院が近所にあるといいですね。特に地方だと『診てくれる動物病院が近くに少ない』と嘆く飼い主さんの声もあります。春と秋に換毛期があるのでブラッシングが必要ですが、抱っこを嫌がって暴れてしまい、うまくできないことがある。これはアナウサギに残っている性質で、『体をつかまえる=死』を意味するため、必死で抵抗して逃げようとするという理由があるのです」