なぜ若者世代は麻生太郎を支持するのか?「現実的に考えたら…」との声も
まず散見されたのは「辞任=責任をとる」という発想への嫌悪感だった。
「官僚がやってしまったことに対して大臣がいちいち辞任していたらキリがない。首相や大臣がころころ変わってしまっては海外に笑われる。財務省の体質改善も含め、現実的に考えたら、麻生氏レベルの強い政治家でなければおそらく不可能」(宮城・男性25歳)
「省庁の責任者が毎回責任を取って辞任をしていたら、まともに行政が進まなくなる。あくまでも責任者は省庁の取りまとめや、今すべき施策について考えるべき」(兵庫・女性21歳)
感情的と言うよりは、論理的あるいは現実的に現状と向き合っているような声が目立った。また、麻生氏が福田事務次官をかばうかのような発言に共感したという若者世代も多かった。
「任命責任とは言っているが正直そこまで責任を負わなくてもいいと思う。むしろ自分の部下をかばうような姿勢は、上司としてうらやましいと感じた」(千葉・女性28歳)
もちろん、この姿勢自体は賛否両論あるだろう。しかし、ブラック企業やパワハラ上司が問題になる昨今、若者世代に麻生氏の姿は頼もしく見えたのかもしれない。
さらに、「日本の漫画やアニメなどを今後、クールジャパンとして海外に売り出していくのであれば、麻生さんみたいなオタクカルチャーに強い人は貴重」(東京・男性28歳)と、愛読書を『ゴルゴ13』『島耕作』シリーズと公言していた麻生氏ならではの声もあった。
「女性記者の尊厳を破壊」否定的な声も
もちろん、寄せられたのは好意的な声ばかりではない。「女性に対して礼儀がなっていない時点で政治家に向いていないと思う」(神奈川・女性23歳)など、否定的な声も多く存在した。
「麻生大臣がセクハラをしたわけではないが、福田を守り、被害者の女性記者を下に見て毎回話す言葉のひとつひとつが、女性記者の尊厳を破壊する行為になっている。発言をするたび女性は傷ついている」(島根・女性28歳)
「部下が犯したことは上司が尻を拭うのが務めであると思う。他人事のように発言しているところも、もう少ししっかりしていただきたい」(兵庫・女性22歳)
「今回のセクハラ問題だけでなく、財務省には森友学園への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題もある。どちらも麻生大臣の責任は大きいと思う」(北海道・男性26歳)
とりわけ厳しい批判が寄せられたのは、女性をないがしろにするかのような麻生氏の発言であった。
もちろん、麻生氏の発言は看過できないものもある。それは間違いないのだが、その一方で、若者世代からしたら「そんなコト言ってる場合ではない!」と考えるのも当然といえば、当然かもしれない。
現時点では辞任を否定している麻生氏だが今後、国会でどのような対応を取るのか注目される。
【調査概要】
調査方法:アイブリッジ(株)提供の「リサーチプラス」モニターに対してアンケートを行い、その結果を集計した。
調査期間:2018年4月27日
有効回答者数:20~29歳 全国の男女100人
<TEXT/bizSPA!取材班>