働く女性同士の恋 “社会人百合”とは?描いたきっかけを人気漫画家に聞く<マンガ>
女性同士の、恋愛を含む多様な関係性をテーマにしたジャンル「百合」。
その中でも“社会人百合”(働く女性の恋愛を描く作品)で人気を博す漫画家のユニさん(@y_un_i)は、『憎らしいほど愛してる』(KADOKAWA)で商業デビュー。『ヒトゴトですから!』(祥伝社)では、上質な百合と共に人事部のリアルな内情を描いています。
今回は、会社員との兼業作家を経て、現在はフリーランスとして活躍しているユニさんに百合との出会いと、会社員時代の経験について語ってもらいます。また、インタビュー記事後に『ヒトゴトですから! 1』の第1話を掲載いたします。お見逃しなく!
【インタビュー後半】⇒働く女性の“社会人百合”の人気漫画家が語る「会社員としてのキャリア」<マンガ>
【マンガ『ヒトゴトですから!』第1話を読む】⇒次へ>をタップすると次の画像が見られます
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百合との出会いは大学時代
――まずは百合との出会いを教えてください。
ユニ:高校生の頃は、友達と少年漫画の二次創作をやっていました。当時は私も周囲もBL(ボーイズラブ)が好きでした。そもそも当時は、女性同士の関係性を描いた作品(百合)の存在を知りませんでした。ですが女性キャラクターがすごく好き! という感情はずっとありましたね。
転機となったのは、大学時代に観た『電脳コイル』というアニメ作品です。登場する女の子2人の関係性がめちゃめちゃよかったんです。そこで初めて女性だけの話を描きました。以降もしばらくはアニメやゲーム作品の二次創作を描いていました。
――同人誌でオリジナル作品を描きはじめたきっかけはありますか?
ユニ:当時社会人の話が読みたいんだけど、あんまりない……みたいなところからスタートしていますね。現在、社会人百合はたくさんあるので、今だったら描いていなかったかもしれません。自分の中で二次創作欲が落ち着いたところで、イメージしているオリジナルの話もあるからそれを描いてみようっていう形で書き始めたのが、2015年くらいです。最初は学校の先生同士の百合作品でした。
新卒でベンチャーに入社。隙間時間をうまく利用
――就職されてからも創作活動は継続されていたんですよね? 会社員時代のお話もお聞きしてもいいですか?
ユニ:私はもともと「新卒で就職した会社で生涯働きたい!」みたいなイメージが全くなかったんです。どうせ転職するだろうと思ってました。だから就職活動中は、両極端な規模の会社を検討していました。すごく研修制度がしっかりしてる大手か、若手でも裁量があるベンチャーか。
もう1つは業界全体が儲かってるかが軸としてありましたね。今勢いのない業界だと保守的になったりとか、新しいことへの投資ができなかったりするのかな? と学生のぼんやりしたイメージで考えていて。最後まですごく悩んだんですけど、新卒で入社する会社にはベンチャー企業を選びました。
――創作活動と仕事の両立は大変ではありませんでしたか?
ユニ:新卒で営業に配属されたのですが、移動時間とかに漫画を読んだりとか、待機中にネームを描いたりと隙間時間をうまく利用していました。もちろん仕事をしなきゃいけないときはちゃんとするんですけど、そうじゃない時は、ぼんやりと描きたい百合作品の妄想がはかどっていました(笑)。だから、思われているよりは大変じゃなかったですね。