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橋本愛の人生観に、渡辺大知がビックリ「こんな22歳、いない」

 山内マリコさんの小説を、『軽蔑』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『ママレード・ボーイ』の廣木隆一監督が映画化した『ここは退屈迎えに来て』が公開になりました。東京から帰郷した27歳の“私”は、ある日、みんなの憧れの存在だった椎名くん(成田凌)に会いに行くことに。

ここは退屈

橋本愛さん(22歳、右)と、渡辺大知さん(28)

 椎名くんを軸に、過去や現在、いくつものパートを行き来しながら、登場人物たちの心の機微を映し出すヒューマンドラマで、“私”を演じて主演を務めた橋本愛さん(22)、そして、黒猫チェルシーのヴォーカルであり、本作では高校時代の同級生の新保くんを演じた渡辺大知さん(28)を直撃。撮影エピソードや、おふたり自身の人生観などを伺いました。

「原作の核が脚本にちゃんとあった」(橋本)

――橋本さんは、もともと原作を読まれていたそうですね。

橋本:脚本にちゃんと原作の核の部分が軸としてあったので、小説が好きな身として、いい映画になる気がしていました。群像劇なので、みんながちゃんと粒立って輝けるといいなと思いましたし、みなさんステキな役者さんなので、そのなかで自分も埋もれないように、登場人物たちはみんな地味なんだけど、それぞれに光っている作品になったらと思いました。

――原作の核というのは、どこに感じたのでしょうか。

橋本:ここにいるみんな、停滞しているというか。何も持っていなくて、どこにも行けなくて、という人たちなんです。車は持っているけれど、どこにも行かずに、同じ場所でぐるぐるしている。

“迎えに来て”とタイトルにあるけれど、誰かが王子様のごとく迎えに来て引っ張り出してくれるわけではない。でも自分を自分として受け入れて生きていく。救われるわけではないけれど、見放されているわけでもない。その微妙な感じでしょうか。

――渡辺さんは本作をどう感じましたか?

渡辺:僕は最初に脚本を読ませていただいたのですが、読み物としてすごくおもしろかった。淡々としているし、なんてことのない会話で成り立っている世界で、閉塞感や寂しさを感じるのに、同時に瑞々しさもある。特に印象的だったのが、匂いとか、夏なんだけど感じるジメっとした湿度とか、色とか、そういったことが浮かんでくる脚本だと思いました。

「僕自身は陰も表に出してきた」(渡辺)

ここは退屈

「神保くんは一番素直な役どころなのかなとも思った」(渡辺)

――自分が演じた役で好きな部分、もしくは気になったところを教えてください。

橋本:最後まで、椎名くんとの距離感に悩みました。すっごい憧れているわけでも、執着しているわけでもないのだけれど、大人になって、なんとなく会いたいという興味は残っている。不思議な距離感だなと。“私”が持っている椎名くんとの距離感は、そのときによって変わる感じがありました。彼女自身に不安定さがあって、変わった女の子だなと思いましたね。

――渡辺さんは同級生の新保くんを演じました。

渡辺:僕が演じた新保くんというのは、陰を持っている人というか、実は内に熱いものを持っているのだけれど、それを表に出すことを諦めたような人だと感じました。ただ椎名くんとの出会いで、唯一出てしまうんです。でも、もしかしたら、一番素直な役どころなのかなとも思いました。誰しも陰があると思うし。僕自身はそういう陰も表に出すことを楽しんできた高校生でしたが、内に留めることも人間らしいんだなと思わせてもらいました。

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