20代転職のエキスパートが語る、若い内に養っておくべき力
終身雇用制度の崩壊など、流動化していく日本社会の状況に伴い、若者が自分のキャリアへの自己決定を求められるようになっています。
しかし、人生経験に乏しい若者は自身のキャリアにどのように向き合えば良いのでしょうか? 前回に続き、『20代の転職成功者は何から始めたのか?』の著者としても知られるブラッシュアップ・ジャパン株式会社代表取締役社長・秋庭洋さんに話を聞きました。
第二新卒含む20代転職者が注意すべきポイントや、大学生のうちに養っておくべき力とは――?
後悔しても踏みとどまれる何かを用意しておく
――20代の転職では何を求めるべきでしょうか?
秋庭洋(以下、秋庭):30代の選択肢を広げられる転職をするべきじゃないかと思います。20代のうちは正直、仕事のやりがいを感じづらいと思うんです。そこで、力をつけるために修行するのか、なんとなく仕事をするのかっていうのは違うんです。
例えば、野球のピッチャーでもマウンドに登って球を投げるっていうのは同じことなんですけど、大量点で負けてる試合の終盤で出ていって投げるのと、序盤のリードを守りぬくっていうのとでは全然やりがいが違うと思うんですよね。
――転職相談に来る20代の若者からはどんな相談を受けることが多いですか?
秋庭:今はもう私は現場にほぼ立っていないのですが、「果たして私は報われるんでしょうか?」という相談が多いみたいです。
そういう相談は真面目な子に多くて、真面目に真面目に仕事に取り組んでいるけど、そのせいで自分の視野を狭くしちゃって、ふとした拍子に自分がスキルアップしているのか、すり減っているだけなのかわからなくなるみたいです。
――仕事でただツライという若者はどうすればいいでしょうか?
秋庭:もちろん、ツラければすぐにやめれば良いというわけでもないですが、実際、本当に自分をすり減らしている場合もあって、その判定基準はすごく難しいですね。ツラさが将来のための力になればいんですが、それは後にならないとわからないので。もしかしたら全ては結果論なのかもしれません。