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25周年を記念してリリースされた『デジタルモンスターCOLOR』誕生の経緯を聞いた

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 1997年に発売された携帯型液晶玩具『デジタルモンスター』。ゲームボーイを持っていない子供でも気軽に遊ぶことができ、友達との対戦も簡単に行えるため、『デジモン』との思い出を持っている人は多いのではないか。筆者もうっかりエサを与えずに放置してしまい、朝起きたら死んでお墓になっていた、というトラウマを経験するなど、様々な思い出をデジモンからもらった世代である。

 そんな『デジモン』は2022年に25周年を迎え、そのことを記念した『デジタルモンスターCOLOR』(税込6930円)が同年に発売された。『デジタルモンスターCOLOR』は当時のサイズ感だけでなく、画面に映し出されるデジモンの“ドット絵”も継承。好評を博した。

 そしてこの度、Ver.3、Ver.4、Ver.5の3種類の予約販売がスタートしている。そもそも、なぜ『デジタルモンスターCOLOR』をリリースしようと思ったのか、またデジモンシリーズの今後の展望など、初代の『デジタルモンスター』ではよくグレイモンに進化させていたというバンダイ グローバルトイ企画部の佐々木光さんに話を聞いた。

「初代をカラーで楽しみたい」という声

 まず『デジタルモンスターCOLOR』をリリースした経緯について、「私自身も小学生の時に初代の『デジタルモンスター』で遊んだ思い出があり、25周年のタイミングでは必ず商品化したいと思っていました」という。

「また、直近のカラーの液晶画面でデジモンを楽しめる商品『バイタルブレス』をリリースしており、『初代もカラー液晶化してほしい』という声も多く寄せられていました。そんな背景もあり、ファン待望の“初代『デジタルモンスター』をカラー液晶での復刻”を目指して企画がスタートしました」

 方向性は早々に決まったが、「カラー液晶化は決まっており、カラー液晶だと当時使用していたボタン電池ではパワー不足のため、充電池内蔵型にすることもすぐに決まりました。ただ、それ以降はなかなか先に進みませんでした」と苦労話を口にする。

「というのも、20周年記念でリリースした『デジタルモンスター ver.20th』では、初代Ver.1〜5の全てのデジモンに加えて、究極体などのデジモンも収録。ある意味完成された『ALL IN ONEの決定版』を当時3500円でリリースしていました。この商品を超える必要があり、『ver.20thに見劣りしない、ボリュームのあるプログラムを入れよう!』となると、カラー液晶化や充電池内蔵で確実にコストアップしてしまう中で、さらに販売価格が高くなり、手が出しにくく購入しづらい商品になります。

 試行錯誤を繰り返した結果、最終的なコンセプトは“原点回帰”に決定しました。当時の収録デジモンをベースにバージョン毎に再構成して、過去の商品に近づけた『メモリアルでONLY ONEな仕様』ができあがりました」

 ただ、やはり不安は大きかったらしく「『この仕様で本当に大丈夫なのか……』と内心かなりドキドキしていました。ですが、結果的には大変好評で、とても嬉しかったです。おかげ様で今回のVer.3~5の商品化にもつながりました」と好感触だったことへの感謝を口にした。

「企画開発担当になったら背景を変えたい」

 改めて初代と『デジタルモンスターCOLOR』の違いはどこにあるのだろうか。佐々木さんは「やはりカラー液晶化や充電池内蔵が大きいです。他には『1人で遊べるバトルシステム』『育成スピードアップ』『コールドモード』『バックアップシステム』など初代のデジモンを極力再現しつつ、時間の限られた社会人でも遊びやすい仕様を目指しました」と答える。

「特にこだわった点は、カラー液晶化に伴い、当時はできなかった背景画像の変更を可能にしたことです。こちらは当時小学生だった私の周りでは、推奨はされていないのですが、製品本体の液晶画面周りにある檻形状のプラスチック部品を取り外し、違うバージョンの部品と交換してアレンジをしていました。

 そんな中、『背景画面も交換できたらな……』という欲があったのですが、さすがに本体を分解して背景画像を変えることは難しい。企画開発担当になった際に、『あの時変えられなかった背景を変えてやろう!』と思い、盛り込んだ要素です」

 また、背景に対するこだわりはまだまだあり、「通信特典として、Ver.1~5までのバージョンで、自分のバージョン以外の全バージョンと通信を行うことで、『ファイル島』の背景画像がゲットできるのもこだわりポイントです」と“当時やりたかったこと”をふんだんに詰め込んだ佐々木さんの童心が垣間見える仕様になっているようだ。

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