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【Z世代は何を想う】老舗企業カンロで描く「ゆるバリキャリアヒューマン」とは?

学び
1990年代中盤以降に生まれた「Z世代」。この企画では、これからの会社や日本の発展を担うZ世代に焦点を当て、編集部のZ世代・山崎がインタビューを敢行。彼らならではの考え方や将来のビジョンなどを探り、その生き方を紹介していきます。今回は、カンロ株式会社に2019年ご入社の、武江史奈さんにお話を伺いました。 (本記事は姉妹媒体「novice」からの寄稿になります。初公開2021年12月21日、情報は掲載当時のものです) カンロ株式会社に2019年ご入社の、武江史奈さん >>ChatGPTが考えた4コマ漫画は笑えるのか?

【インタビューのお相手】

  • 氏名:武江 史奈(たけえ・ふみな)さん
  • 生年月日:1996年5月5日
  • 出身地:徳島県板野郡
  • 出身校:京都女子大学家政学部
  • 趣味:謎解き、西洋美術(印象派)鑑賞

カンロ株式会社は、「健康のど飴」「ピュレグミ」「金のミルク」など数々の大人気商品を展開する、創業100年を越える食品メーカー。現在も「カンデミーナグミ」や「マロッシュ」など、時代に合わせたヒット作を生み出し続け、ファンを増やし続けていますよね。今回は、そんなカンロに入社して3年目、企画職に就く武江 史奈さんにお話を伺いました。

【カンロ入社の理由】コツコツ真面目に、愚直に働きたかった

武江さんインタビュー風景1

子どもたちを笑顔にできる仕事がしたい、と話す武江さん
(注:撮影のため一時的にマスクを外しています。)

― 武江さんは、どのような経緯でカンロで働くことにしたのでしょうか?

武江さん:「商品に誠実に向き合って、いいものを作り上げよう」というカンロの精神に共感したからです。私はコツコツ真面目に、愚直に働きたいという思いがあったので、カンロでならそうした働き方が叶えられるのではと思いました。

また、カンロの選考を受けている就活生は自分と似ているところがあったり、感性や雰囲気が合うなと感じたりしたのも決め手になりましたね。

就活中はアドレナリンが出ていたのか、いつもより少し積極的な自分になっていて(笑)。そのせいか、新商品を素早く世に送り出すことに重きを置いている、カンロとはベクトルの異なる企業もキラキラして見え、心を動かされそうになったこともあります。それでも、「自分が本当に安心して働ける会社って、どんな会社だろう?」とあらためて考え直し、最終的にカンロに入社を決めました。

【就職活動について】夢だった「食品業界」一本に

就活時代は、当時住んでいた京都から毎週のように夜行バスで東京まで来ていたそう

― どのような方針で就職活動をしていましたか?

武江さん:「モノを作る企業で、子どもを笑顔にする仕事がしたい」という思いから、食品業界を志望していました。食品と名のつく会社の説明会には可能な限り参加したぐらい、食品系の企業に絞って就活をしましたね。

昔から本当にお菓子が好きで、高校生のころからずっと食品系の企業で働きたいと思っていたんです。大学は管理栄養士の資格が取れる学科を選び、食品の研究開発関係のゼミに所属するなど、「食品系の企業で働く」という目標に向けて一つひとつ選択し、進んでいくような学生生活を過ごしていました。

「食品系だけは絞りすぎじゃない?」と周りから言われ、おもちゃメーカーの説明会に参加したこともありましたが、やっぱりちょっと違うなと。また、お菓子だけでなくさまざまな食品の企業にも応募しましたが、「子どもを笑顔にする」という自分の志望とは合わないなと感じ、途中で諦めた企業もたくさんあります。そのような就活を経て、最終的にご縁があり、入社したのがカンロでした。

【現在の業務内容】新卒入社以来、一貫して商品企画を担当

試作品の飴の試食も大切な業務。研究チームと味や食感について入念に打ち合わせを重ねる

― 現在のカンロでの業務内容を教えてください。

武江さん:商品の企画コンセプトを考える仕事をしています。市場調査から商品のコンセプトを考え、研究チームにイメージを伝えて味や食感を作ってもらい、デザイン会社さんとパッケージデザインを考えながら、発売まで進めています。

― 企画をする際に意識していることはありますか?

武江さん:私の場合、トレンドを追うというよりは、商品を買ったり食べたりする時の感情として、どういう気持ちが求められているんだろう? と考えることが多いです。例えば、「今日もおひとりペンギンキャンディ」という商品では、コロナ禍でおひとり様に寂しさを感じている人も多いなかで、「店で目が合ったら思わず連れて帰りたくなるような商品を作りたい」と考え、哀愁たっぷりのペンギンをデザインしたキャンディを企画しました。キャンディの個包装にはおひとり様ならではのぼやきがプリントされているのですが、少しでも共感してクスッと笑ってもらえたらいいなと思いながら、60種類のぼやきをすべて自分で考えました。

また、企画を考える時は、なぜ?をとことん追求するようにしています。例えば、自分が「こういう商品が欲しいな」と思ったら、なんでそれが欲しいんだろう? なんでそう思うんだろう? と、どんどんハテナを追っていって、深掘りしていくイメージです。簡単ではありませんが、そのなかで多くの人の共感を得られそうな理由が見つかったら、そこが企画の切り口になるのかなと思います。

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