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中国系航空会社が大伸長した世界の航空業界。日本とは親子ほどの差が

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日本の13倍も!中国の航空輸送力

 中国のエアラインはTOP200社の中で38社もあり、合計の輸送量は前述の通り6076億RPKを出しています。同ランク内で日本のエアラインはANA、JAL、Peach Aviation、ANA Wings(RPK順)4社の名前が挙がり、合計445億RPKとなりました。

 この数字のからわかることは、中国は日本の13倍以上の航空輸送力規模があるということになります。ここまでの差がついているとは読者の誰もが意外であったのではないでしょうか。

 中国の航空業界は欧米に向いています。日本一の規模のANAと同レベルの輸送力を持つエアラインは中国に10社もあるのです。いつの間にか、日本は中国にこれだけの大差を付けられて取り残され感が強くなっています。

日本にできなかった航空機製造

アメリカン航空

アメリカン航空の機体群

 さらに言えば、日本での航空機製造産業は三菱航空機の事業凍結で明らかなように事実上実現はかなり困難であると言わざるを得ません。それに対し、中国は天津にてエアバスの航空機を製造するだけでなく、自国で航空機の開発に成功し、ついに中国大手航空会社でも導入が始まりました

 中国商用飛機有限責任公司(COMAC)がその会社であり、2008年にARJ21という78~90席クラスのリージョナルジェットを飛行させ、今では中国3大エアラインで31機が就航しています。2018年にはナローボディ機の中心サイズ158~168席サイズのC919を初飛行させ、2022年10月には中国民用航空局から形式証明書を取得しました。

 C919はボーイング737、エアバスA320と同等のクラスであり、世界の商用航空機で最も需要の高いクラスの機体であり、事実として中国の28社のエアラインから815機の受注を得ています。2022年12月にはC919は中国東方航空に引き渡されました。

 米国ではFAA、欧州ではEASAが航空機の運航許可となる耐空証明を出さない限り、世界標準での商用運航はできないのですが、実際に中国国内だけでも無事故飛行を続けていますし、国内マーケットのみでも相当数の需要がある大きな航空マーケットが中国なのです。

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