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“テレアポ地獄”に悩む新人たち。ノルマ1日600件、スマホも没収…

ビジネス

 通信販売や宅配訪問で、お客さんを獲得するために電話営業をかける行為、テレアポ。

電話をかける

※画像はイメージです(以下同じ)

 入社したての若手にとっては、なかなか面会の予約を取り付けてもらえなかったり、回数ノルマを達成できなかったりと、テレアポは最初にぶつかる壁でもあります。

 実際、世間的に働き方改革やブラック企業撲滅が叫ばれている現在でも、過酷な「テレアポ地獄」に悩む人は少なくありません。今回は、そんな新入社員の声を紹介します。

 新卒入社した中小証券会社で、個人向けの金融商品を販売していたアカネさん(仮名・29歳)。彼女は「配属された営業部の上司が、手と受話器をガムテープで巻いて固定する“ぐるぐる世代”だった」と語ります。どんなハードなテレアポだったのでしょうか。

ノルマは1日最低600件「テレアポ地獄」

「テレアポのノルマは1日最低600件。電話するごとに正の字を書いてカウントします。その様子を常に上司が監視していて、電話の回数もデータで管理されていました。ごまかしは絶対にできません。ハードルが高いので、達成できない人も多かったですね」

 アカネさんによると、前述の“ぐるぐる巻き世代”の上司はとても厳しい人で、部下の管理もかなり強固だったという。

「とにかく厳しい上司でした。部屋に入った瞬間、全員起立! しかも上司に話しかけられたときも、すぐに起立しないといけない。ちょっとでも電話をかける手が止まると、怒号が飛んできて、成績の悪い人は全員の前で吊し上げられます。当然、鬱で休職する人もいました。中途入社の人も、入ってきたと思ったらすぐ辞めて、また入ってきて、辞めてで、完全に使い捨てのようでした」

スマホも没収。まるで刑務所のような環境

 しかも始業1時間前出社の義務や、業務中はスマホも没収されるなど、まるで刑務所のようだったとか。そんななか、アカネさんはどんなテレアポ方法だったのでしょうか。

「全国各地の“入手元がグレーな”学卒名簿をもとに、50代男性に『口座を開きませんか?』と電話をかけるんです。とはいえ、いざ電話をかけても、5コール目で出ない場合は切ります。ざっくりですが、7割の人が即切りで、2.8割がブチギレてきて、罵倒されるのは日常茶飯事。多少なりとも話を聞いてくれるのは残り0.2割しかいませんでした」

 アカネさんの会社では、そのうち1件でも口座開設の資料を送付できたら退社が認められます。しかし、たいてい達成できず、「20時過ぎまでみなし残業で働いていた」と言います。

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