「社内人脈しかない人」をバカしてはいけない。扱い方次第では“貴重な存在”に
社内でしか通用しないスキルを会得した僕の場合…
ぼく自身、特に2社目に勤めたコンサルティングファーム「フロスト&サリバンジャパン」勤務時代に「社内でしっかり情報網を張ることで、適切な人材と協力してお客さんに良い提案ができる」という、基本的に社内でしか通用しないスキルを会得しました。
日本オフィスはそれほど大きくなく、海外のコンサルタントたちと協力して仕事をする機会が多かったのですが、日本のお客さんに満足いただくためには、各海外コンサルタントたちの得意領域や仕事への姿勢を理解し、かつその人たちに「こいつと働くと楽しいな or メリットがあるな」と思ってもらう必要がありました。
一緒にプロジェクトをしていくたびに、いい感じの人がいたら「日本市場開拓のためのパートナー」と位置づけ、積極的に相手の要望を満たしつつ関係構築をし、他クライアントとの仕事でも一緒に働いてもらうように努力しました。このときに得た海外コンサルタントたちとのつながり自体は、ビジネス的側面からすると、自分が転職したこともありますし、大きなインパクトがあるわけではありません(もちろん、個人的な友情としてはかけがえのないものです)。
ただ、ここで得た「社内に情報網を張る力」「適切な人材と良い関係を築く力」はその後の転職でも大きく生きており、「社内専門スキルに見えつつ、実はポータブルスキルだった」という例になります。
「ヤバい!」と焦る前に、今まで得てきた自分の経験やスキルは何なのか、それはどのようにしたら他の会社や業種でも役立てることができるのか、ノートに向かって書き出してみましょう。それだけで、今の無用な焦りは消えていきます。
<TEXT/Zenyum Japan代表取締役社長 伊藤 祐>