出世コースを外れた“元エリート自衛官”が気づいた「100点のいらない人生」
人生の難問は、ムリに解決しなくていい
人は誰しも悩みがあるものです。ただ全ての悩みを解決する必要はないと思います。筆記試験では「簡単な問題を先に解く、わからない問題は後回し」というセオリーがあるように、人生の悩みも「簡単な悩みから解く」が正解だと思います。
特に「自分はどうして生きているのだろうか?」「自分の使命は?」という難問はすぐには答えを出すことができません。こうした難問でつまずくよりも、わからない問題はスキップして「どうしたらカバンの中が綺麗になるのか?」ぐらいの悩みから手をつけたほうがいいでしょう。
また、悩みを解決すると違う悩みが出てくるものです。ありとあらゆる問題を解決しても、生きている以上は「老化と死」という悩みからは逃れられません。なので、結局は悩みと付き合っていく必要があると私は思います。
哲学用語で、判断を保留することを「エポケー」と言います。疲れている時や、難題にぶつかった時は一旦エポケーして、時間と余裕がある時に再チャレンジするぐらいがちょうどいいのではないでしょうか。筆記試験で合格点が決まっているように、人生も合格点を60点ぐらいにすれば「わからない問題はそのままでいい」という考え方を持てるので、うまく悩みと付き合えるようになりますよ。
打ちのめされたら、しばらく「倒れたまま」で
人生に打ちのめされた後に「よし立ちあがろう!」とすぐに奮起するのは、私の個人的な意見で言えばお勧めしません。立ち上がるには、多くのエネルギーが必要だからです。心にダメージを負った状態ですぐに立ちあがろうとしても、回復しきっていないので、打ちのめされやすくなります。仕事のストレスで休職した人が焦って復帰すると、再休職する可能性が高くなるように、まずは休むことが大切だと思います。
勝海舟が「人の一生には、炎の時と灰の時があり、灰の時は何をやってもうまくいかない。そんな時には何もやらぬのが一番いい」と言っているように「灰の時だ…」と思ったら、そのまま灰のままでいることも大切だと思います。
灰のままで過ごしていると「これをやりたい」「挑戦してみようかな」という気持ちが徐々に湧いてくるので、その時が立ち上がる時です。私もぼんやりと海を見ていて気がついたように、時がくれば人は自然に立ち上がるものです。無理に「立ち上がろう!」と思わずに、疲れたら倒れたままで休憩しましょう。
私も毎日様々なことに打ちのめされて、「もうダメだ…」としょんぼりしながら歩いていますが、とりあえず「生き抜いたからいいか」と自分を肯定しています。立ち上がらなくても、生き抜いているなら勝ちですね。
<TEXT/ぱやぱやくん>