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業務スーパー創業者が100億円かけて“2度目の起業”。その責任者を直撃

ビジネス

日本人にこそ必要なエネルギー

 地熱開発について「ハイリスクではあるが、大きなリターンも望めるからこそ地熱に投資できる」と語る一方で、「地熱は日本人、そしてこれからの日本に必要だから」とも、岡本氏は続ける。

「単純に200億円を儲けたいわけではありません。開発に成功すれば、将来にわたって純国産の地熱エネルギーを永久的に残すことができる。だからこそ、大きなリスクを背負ってでも地熱開発ができるのです。

 いまの日本は、化石燃料に頼らざるを得ません。その化石燃料のうち39%がLNG(液化天然ガス)、31%が石炭と、すべて海外からの輸入。もし、いろいろな理由で調達リスクが起きて日本に入ってこなくなったとき、エネルギーはたちまち頓挫してしまいます

 そうならないために、「将来に残る純国産のエネルギーを増やしていかなくてはいけない。これが沼田の地熱開発における大儀であり、私はその大儀に沿って実行部隊の隊長として動いているイメージです」と岡本氏。

地熱開発のため業務スーパーを息子に

町おこしエネルギー

地熱を利用して栽培されるバナナ

 さらに、「小国町で出た利益は、どんどん次の地熱掘削のため惜しみなく使う」と言う。実は代表の沼田氏は業務スーパー時代から、「日本は島国なので、海外に国交を断たれたら、たちまちエネルギーも食糧も足りなくなる」と考え、食料とエネルギー自給率アップについて常に大儀として掲げていたのだ。

「日本の食料自給率は40%を切っています。これでは、日本人1億2000万人のうち5000万人の食糧もまかなえないのです。そのため沼田は、多くの人がたちまち飢え死にしてしまうような悲惨な時代が来ることを常に警戒していました」

 食に関わる事業をおこなっていた業務スーパーでは、食の自給率アップを目的とし、よいものをより安く販売したいという想いで事業を展開。また、神戸物産時代にもエネルギーの自給率アップには着目していた。

「神戸物産時代にも、太陽光発電や木質バイオマス発電、地熱についても一部、手掛けてはいます。ただ、沼田としては、ベースロード電源となりうる地熱開発に力を注ぎたかった。でも、一部上場企業というのは、いろいろな意味で重たい。

 株主さんや社外取締役の方々がいるなかで『5億円かけて調査用の井戸を掘る』となったとき、確率が10分の1だと、なかなか全員一致でオッケーとはなりません。しびれを切らせた沼田が、自己資金を投じて『町おこしエネルギー』を立ち上げた経緯があります

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