じゃがいも不足が直撃「スナックメーカー」3社。海外に熱い視線を送る今
湖池屋:じゃがいも不足が大きく影響
湖池屋は、のり塩、うすしお味などがある王道商品の「ポテトチップス」のほか、「じゃがいも心地」「カラムーチョ」「ドンタコス」などを生産しています。カルビーと湖池屋のポテトチップスは外観が似ていますが、これは「同質化戦略」と呼ばれ、互いの差別化を抑え込む狙いがあります。ポカリスエットとアクエリアスが似たような色をしているのも同質化の1種です。
さて、湖池屋の業績を見ていくと、直近ではじゃがいも不足の影響を大きく受けていることが分かります。2019/6期~2022/3期の業績は以下の通りです。
【株式会社湖池屋(2019/6期~2022/3期)】
売上高:340億円→377億円→402億円→304億円
営業利益:6.8億円→10.1億円→16.7億円→10.9億円
最終利益:3.7億円→6.4億円→11.6億円→7.6億円
海外売上高:24.4億円→33.2億円→35.1億円→43.3億円
コロナ禍で売上高・最終利益が過去最高に
2020/6期は主力であるポテトチップスの売上が横ばいとなりましたが、積極的な広告投資・営業活動によって「湖池屋プライドポテト」などの高付加価値商品が伸長し、これが全社営業利益の増加にも貢献しました。海外事業では台湾、東南アジアに進出していますが、ベトナムにおける個人商店への販売について効率化ができておらず、海外事業全体では1.8億円の赤字となっています。
2021/6期はコロナの感染拡大と重なっていますが、国内は前年度同様に積極的な広告施策で高付加価値商品の売上が伸びました。巣ごもり需要に対応した商品も投入し、増収に貢献しています。海外はベトナム向けが依然軟調でしたが、経費削減によって海外事業全体の赤字を1.2億円まで抑えることに成功しています。同期は売上高・最終利益が過去最高を記録しました。
しかしながら、2022/3期は業績が芳しくなかったようです。国内事業では北海道産じゃがいもの不作により、主力製品であるポテトチップスの販売促進活動を数か月間中止せざるを得ませんでした。ポテトチップス以外の商品に経営資源を注いだものの、その効果は限定的だったようです。