じゃがいも不足が直撃「スナックメーカー」3社。海外に熱い視線を送る今
コロナ禍は国内外で明暗が
2020/3期は柿の種シリーズなどの主力ブランドに経営資源を集中させ、営業の効率化を図りました。また、新しいイメージキャラクターの導入やテレビCMの展開によって認知度を高め、消費を促しています。商品開発では需要が伸びているおつまみ系の菓子類を拡充させたようです。こうした施策が成功し、国内米菓事業の売上高は約4%伸びました。
海外事業も北米やカンボジアなどへの展開を進めたことで増収となり、全社売上高は過去最高を記録しています。利益面について物流費・人件費は高騰していますが、原料となる米の価格は安定していたため、営業利益は増益となったようです。
2021/3期は巣ごもり需要によっておつまみ系商品の売れ行きが好調となりましたが、外出自粛によって百貨店向け商品や土産商品の販売が落ち込み、国内米菓事業は減収となりました。反面、海外事業は特にアジアでの巣ごもり需要が牽引し、大幅増収となっています。
海外で米菓需要拡大を狙う
翌2022/3期はカルビー同様、「収益認識に関する会計基準」を適応したため売上高が減少していますが、同じ基準で換算すると前年よりやや増収を維持しています。国内では巣ごもり需要の一巡で「亀田の柿の種」の販売が落ち込むも、「ハッピーターン」の販売が回復しました。
亀田製菓は、米菓を主体とするためカルビーのようにじゃがいも不足の影響は受けていません。海外事業も国内同様に北米が巣ごもり需要の反動を受けましたが、タイ・ベトナムでの増収がこれを相殺しました。しかし、売上は堅調だったものの、全社営業利益は原材料費高騰やエネルギー価格の高騰が影響し、減益を免れませんでした。価格改定・規格変更も効果は限定的だったようです。
業績推移を見ると国内事業の売上高が既に頭打ちとなっている一方、海外事業はやや伸び続けていることが分かります。今後について同社は、国内におけるシェア拡大と生産供給体制の効率化を進めつつ、海外事業については米菓需要の開拓を進め、欧州への進出も狙うと公表しています。