“ワーキングプア予備軍”をLINEで支援する「相談インフラ」。運営者に聞いた
相談にくるのはどんな人が多い?
ただ、通常の求人では膨大な広告料がかかる。そこでCompassは自治体から開発料をもらいながら、無料で求職者にアプローチするというやり方を考えたのだ。
「自治体によってニーズは変わってきますので、それに合わせたプロダクトを弊社CTOと一緒に開発しています。具体的には、人事が抱える問題をAIなどで解消するサービスです。提携した自治体から紹介された求職者の相談に私たちが乗り、そのデータをもとに企業とマッチングさせます」
Compassが実施しているオンライン相談は、誰もが簡単にでき登録ユーザーも増えているとのことだが、相談にくるのはどんな人が多いのか。
「無理やり大きく分けると、『不本意ながら中低所得状態な人』と、『望んで仕事をやっているはずなのに、中低所得の状態苦しくて、どうしたらいいのかわからなくなっている人』。そして、『そもそも中低所得以外のものを思い描けなくてすごく困っている人』です。適職とか生きづらさみたいなのと合わせて相談する人の3つに分かれていると思います」
現在はわかりにくい貧困が増えた
個人の悩みは違うと思うが、今と昔で悩みに変化はあったのだろうか。
「かつては家族が病気で働けない、ご飯が食べられないなどわかりやすい貧困の人が多かったのですが、今は見た目ではわかりにくい貧困が多いですね。清潔感もあり、見た感じでは困っているようには見えないけど、じつはとても困っているという人が増えたように感じます。
特に若年者層はしゃべっても、見た目でも判断できないので、貧しいことや困っていることを隠しながら生活しているように思えます。自己責任が強く、自分でなんとか解決しなきゃと、不必要なことで悩んでいるような感じです」
最後に大津氏は「若年者層の悩みは深刻です」と語った。ワーキングプア問題の深刻化は止まらないが、一刻も早く解決を望みたい。
<取材・文/大川藍>