ホルモンや赤身はタレか、塩か?失敗しない「焼肉の注文」をプロに聞く
ライスはだいたいいつでも大丈夫
もちろん、ライスはだいたいいつでも大丈夫。最初に「もう出しちゃってください」とお願いして、韓国海苔でチャンジャを巻き込み、即席の海苔巻き(キムパ)をアミューズ代わりに配る……というのは、ステーキの名店「ナスキロ」の高山いさ己シェフから教えていただいた小技。
特に個人経営の焼肉店は厨房に人数を割いていることが少ない。最初に全体の流れを見据えたうえでまとめて注文してしまおう。すると混雑時のオーダー渋滞に巻き込まれにくくなる。
まず最初に自分たちのつまみを確保する意味でも、肉以外のスピードメニュー、サラダ、汁物などジャンルを散らして、卓上が賑わうよう注文を調整したい。
居心地よく過ごせるかは自分の振る舞いによる
「いい店」「いい肉」をざっくりと捉えるのではなく、自分や同行者にとっての「いい店」「いい肉」がどんなものか、考えて聞き取って言語化して深掘りする。
必要なのは自分にとっての「いい店」であり、万人にとってのいい店などという都合のいい店は存在しない(もしくは予約困難だったり、高額だったり、店主のクセが強かったりと何かしらのハードルがある)。
そしてどんな店でも居心地よく過ごせるかどうかは、現場での自分の振る舞い次第でもある。店と調和し、相客に気を配り、目の前の皿を全力で楽しむ。焼肉に「技術」があるとしたら、それは「おいしく」「楽しく」食べようとする熱意と姿勢の賜物に違いない。
<TEXT/ライター・フードアクティビスト 松浦達也>