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経済不況のまま値上げが相次ぐ日本。“危険なインフレ”が招く「深刻な状態」とは

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 2022年に入ってから原材料などの価格高騰を理由として、マクドナルドやうまい棒といった食料品の値上げが相次いでおり、私たちの生活が圧迫されることは避けられない状況だ。

値上げ

画像はイメージです(以下同じ)

 とはいえ、食料品の値上げは“インフレ”と解釈することもできる。日本は長期間に及ぶデフレに悩まされており、これらのインフレ現象は経済低迷からの脱却を予期しているのではないか。現在の日本はインフレと呼んで良いのか。そして、なぜ食料品の値上げが次々起きているのか、経済学者であり立命館大学教授の松尾匡氏に話を聞いた。

食料品の値上げが相次ぐも「インフレではない」

 まず、「食料品の値上げが相次いでいます。ただ、後述しますが、普通の意味での“インフレ”とは様相が異なります」と口にする。

「全国平均の消費者物価上昇率の最新統計である2022年2月の前年同月と比べた上昇率を見ると、小麦粉が9.2%、生鮮魚介が12.4%、輸入牛肉11.1%、レタス40.4%、たまねぎ66.3%、りんご30.0%、いちご18.7%、食用油29.8%、マヨネーズ13.1%、調理カレー16.1%、紅茶14.9%、電気代19.7%、ガス代16.5%、灯油33.5%、照明器具10.9%、婦人用コート7.0%、ガソリン22.2%、プリンタ16.5%、カメラ15.3%などの値上げが目立ちます」

 その一方、マイナスを記録している品目も少なくない。

輸入コストの高騰も値上げを後押し

買い物

「『コロナ禍の影響で外食産業が不振なため、米価が下がって農家の人たちが困っている』という話は、聞いたことがありますよね。実際、米価は▲5.1%でした。牛乳や乳製品もみなマイナスで、これらも『酪農家の人たちが困っている』と話題になりました。

 また、にんじんが▲13.8%、ねぎ▲20.5%はじめ、野菜もマイナスが多いです。さらには、電気冷蔵庫▲22.3%、空気清浄機▲10.4%など、家電製品もマイナスが多い。履き物や子供用の衣類、文房具もおおむねマイナス。運動用具類も軒並み下がり全体で▲7.6%でした」

 食料品に限らず日用品の値上げも見られる。松尾氏は、日本のインフレが加速する可能性を示唆する。

「アメリカをはじめとした諸外国の景気拡大により、原油需要が増加したことが原油価格や穀物価格の世界的上昇を起こしました。加えて、アメリカやカナダなどでは、高温・乾燥に見舞われて作況が悪化しています。さらには、ロシアのウクライナ侵攻の影響もあります。穀倉地帯のウクライナの先行き不安だけでなく、産油国であり小麦の生産も盛んなロシアの禁輸が懸念されています。さまざまな要因から輸入コストの高騰が避けられないため、今値下がりしている品目も値上がりするかもしれません

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