「クレしん」野原ひろしの年収は高嶺の花?ますます貧しくなる日本の問題点
「野原ひろし」。言わずと知れた国民的アニメ「クレヨンしんちゃん」で主人公「野原しんのすけ」の父の名前です。冴えない中年サラリーマンだが、子煩悩の優しい父として描かれる「ひろし」が意外と裕福であることをご存知でしょうか?
高校か大学を卒業したら普通に就職して、20代は一生懸命働きながら恋愛し、20代後半になったら普通に結婚する。奥さんは家庭に専念してもらって、しばらくしたら子供が生まれる。当然、車は所有。野原ひろしもこういった、「普通の人生」を送っているごく普通の30代なかばの男性として描かれています。
「野原ひろしのような人生」は難しい?
しかしながら、実態として今の20代が「野原ひろしのような人生」を普通に実現するというのは相当な努力が必要だと思います。これはなぜかといえば、私たち日本人が当時と比べて大幅に貧しくなってしまったからです。
【隠れリア充「野原ひろし」の華麗なスペック】
年齢:35歳
家族構成:専業主婦の妻・子供2人・ペット
自宅:庭付き一戸建て(春日部市)
車:ワゴン車所有
勤務先:双葉商事(東京都中央区)(※「ヘンダーランドの大冒険」より)
勤務時間:子供が寝る前に帰れる程度の帰社時間。休日出勤はほぼ無し
役職:係長
収入:年収約650万円(※1995年「劇画タッチのしんちゃん登場だぞ」より)
トヨタだけの「企業時価総額ランキング」
実際、どれくらい日本という国が貧しくなったのかというのはさまざまな指標で確かめることができます。一例として「世界の企業時価総額ランキング」の1989年と2022年の比較がわかりやすいかも知れません。
1989年はTOP50社中、日本企業32社あるのに対し、2022年はトヨタ1社しかありません。約30年の間でいかに日本企業が世界での立ち位置を失ったのかがわかりやすいと思います。
付加価値に占める人件費の割合である、労働分配率はここ20年大きな変動はありませんから、私たちが貧しくなった原因は単純に日本企業が儲からなくなったことに起因するといえそうです。