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数十万円でUSBメモリを…若者を狙う「投資詐欺」が急増中。18歳が特に危ない

コラム

すべてが作り話だった事例も

家族

 そして、持ち帰った資料をネットで検索しましょう。暗号資産交換業者と勝手に名乗っていることもあるでしょうから、正規業者に問い合わせて投資の話が本当かどうか、確認するといいでしょう。やはり即決せずに持ち帰る、調べるという行為が大切です。

 日本国内であれば、日本の法律で対応できますが、海外の詐欺や悪質商法の場合は、日本の法律では解決しません。「日本人は金融リテラシーが低い」「みんなやっている」「海外では常識」のような言葉にも注意が必要です。

 親にあって新青年にないものの1つに「経験」があります。君子危うきに近寄らず。危ない橋は叩いても渡らないくらいの慎重さが必要です。他にも架空の人物によるでっちあげストーリー、すべてが作り物だったという事例もあります。

 2018年には「藤田」という架空のカリスマ的な人物が、毎月30万円以上のビットコインを受け取れるとしてアプリを販売した虚偽表示事案がありました。そもそも虚偽の内容ですから、儲け話が成功するはずありません。人づてでなく、ネットの世界にも注意が必要です。怪しいと思ったらサービス名称でネット検索するクセをつけるようにしましょう。

18歳は社会人と同じだと心得よう

 騙されるはずがないと感じる人もいるでしょうけれど、実際に騙された人がそれなりにいるのです。トラブル事例をいくつかお伝えしましたが、理由は成年年齢の変更です。

 今年(2022年)の4月1日から、高校3年生に相当する18歳になると同時に、成年(成人)とみなされます。高校生だから、大学や専門学校などに通う学生だから、といった言い訳は一切通じません。一人の大人として扱われます。

 すでに社会に出て働いているのであれば、18歳成年でも問題ないでしょう。ただ、日本では、通信制を含めた高校進学率は98.8%(令和元年度)です。100人中99人が高校に進学します。高校生が一人前の大人と認められることに違和感があるかもしれません。しかし、ルールは変わるのです。学校の授業や家庭内教育で、「契約」について理解しておく必要があるでしょう。

 今までは、未成年という言葉で許されてきた過ちが、許されなくなります。未成年の契約であれば、親権者が取り消すことができますが、成年になれば親が取り消すことはできません。契約する権利があるのに、お金を稼いでいませんから、高額な契約などは引き続き親の資力に頼ることになるでしょう。親の財産を守る意味でも、親も18歳成年を子供とともに考える必要があるでしょう。

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