龍角散「6000万円セクハラ訴訟」が和解。会社側が敗訴でも残された課題 | bizSPA!フレッシュ

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龍角散「6000万円セクハラ訴訟」が和解。会社側が敗訴でも残された課題

ビジネス

 ゴホン!といえばでお馴染み「のど薬」で有名な龍角散。愛用している人やCMで知っている人も多いかもしれません。12月6日に「株式会社龍角散」のセクハラ訴訟は6000万円の解決金を支払うことで和解したという報道がありました。龍角散の藤井隆太社長が当事者として関わっていることから裁判の行方が注目されていました。

龍角散

※画像は龍角散公式HPより

 なぜ老舗製薬会社でセクハラ訴訟は起きてしまったのか。ハラスメント専門家の筆者(村嵜要@murasaki_kaname)が龍角散のセクハラ訴訟をケーススタディとして、企業がハラスメントの問題を起こすリスクと、課題が残る龍角散のハラスメント対策について解説します。

法務部長の女性が突然解雇される

 発端は2018年12月の忘年会。藤井社長が契約社員の女性に抱きつくなどセクハラの疑いがある行為を、忘年会に出席していた執行役員の女性が問題視。実妹である法務部長に相談しました。

 法務部長と同僚が被害に遭ったとされる契約社員の女性にヒアリングを実施したところ、会社側は「セクハラを捏造している」という理由で法務部長を解雇してしまったのです。これは不当解雇だ、として2019年6月に法務部長が同社を提訴。

 その後、執行役員である姉は本社から工場に異動させれられた後、仕事を与えられず自宅待機を命じられたことから、実妹である法務部長の裁判と並行して労働審判を申し立てています。裁判官から和解の働きかけもあり、今年12月6日に、龍角散側が法務部長に6000万円の解決金を支払うことで和解に至りました。

和解しても龍角散に残された課題

裁判

※画像はイメージです(以下同じ)

 行為者(社長)が会社に残り、被害者が会社を去る、ハラスメント対策が機能していない典型例になっていることから根本的な解決には至らず課題が残されています。

 筆者が代表理事を務める日本ハラスメント協会ではハラスメント行為者向け研修の依頼を受けていることから、企業側が役職者や経験豊富な行為者を会社に残したい温度感はいつも透けています

 和解後、龍角散は「引き続きコンプライアンス徹底に努めていく所存です」とコメント。今後は当事者となった社長自らが再発防止を掲げて、専門家等に助言を求め、ハラスメント対策強化に舵を切ることが期待されます。被害者が会社を辞めなくても良い相談体制、公平な調査体制になるように根本的な見直し行うことが望ましいでしょう。

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