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コロナ禍の今、あえて居酒屋をオープンした店主「高円寺を楽しくしたい」

ビジネス

コロナ禍だからこそ居酒屋をオープン

鉄板酒場 チヨハチ

鉄板酒場 チヨハチのテーブル

――従業員を守るために、どんなことをやりましたか?

千代田:まずは、行政からの雇用調整助成金でしのぎました。でも、これをいつまでもやるわけにはいかないなと思いました。

――となると、解雇も?

千代田:いや、忙しい時だけ使って売れなくなったらサヨナラなんてことはできませんよ。稼げる店がなくなったのなら、作るしかないと思いました。それで、2021年6月27日に「鉄板酒場 チヨハチ」をオープンさせたんです。

――コロナ禍「なのに」じゃなくて、「だからこそ」出したということですね。

千代田:賛否両論ありましたけど、うちの従業員はみんな喜んでくれました。高円寺の町の人からも、喜んでくれる声が多かったですよ。高円寺は個人店が多いから、これだけコロナ禍が続くと、経済的な体力のない個人店はなくてどんどんなくなってるんですよ。そんな中で新しいお店がオープンっていうことで、応援してくれたんでしょうね。

――この時期の開店、なるべく初期投資を減らしたいですよね?

千代田:最初は、安く上がる居抜きで開店することも考えましたよ。でもね、お客さんもテンションの上がるカッコイイお店が作りたかったんです。こんな時だからこそっていうのもあるし、僕が憧れたかっこいいお店の人たちもみんなやめていっちゃったんです。その人たちに「今度はお前たちがかっこいい店を作る番だ」って言われたから、安く上がる居抜きじゃなくて「かっこいい店を作ろう」と決意しました。借金は増えましたけどね(笑)。「ここは僕がという気持ちにもなりました。だから、安く上がる居抜きじゃなくてちゃんとつくりましたよ。借金は増えましたけどね(笑)。

ノンアルコール専用メニューを作成

ノンアルコール専用メニュー

ノンアルコール専用メニュー

――お金かけたからこそのこだわりですね。

千代田:カッコ良さだけじゃないんですよ。焼肉屋とか鉄板焼きの店は、高性能な空調を使うんですけど、うちはそれよりもさらにいいものを導入しました。だから、安心して来ていただきたいですね。

――お酒を扱うには厳しいご時世。酒場としてどうしてます?

千代田:ノンアルコールビールでも、冷凍庫でキンキンに冷やしたジョッキで生ビールみたいに注いで提供してます。そうすると、お客さんもめっちゃ喜んでくれるんですよ。

――気分だけでも盛り上げてくれてるんですね。

千代田:あと、たくさんあるメニューの隅っこに書かれているノンアルを頼むと、なんか悲しくなるじゃないですか。だから、別冊でノンアルコールだけのメニューをつくりました。お客さんも「その気になれるね」って言ってくれてます。

――それは粋なやりとりですね。

千代田:多少でも酔った感じになれるって言ってくれてますよ。普通はノンアルだと1杯だけという人が多いんですけど、これをはじめてから、3杯とか飲んでくれる人も結構います。

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