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映画を短時間にまとめた「ファスト映画」で逮捕者が…何が問題点なのか解説

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映画紹介のあり方を改めて考えるべきかも

映画撮影

 1本の映画を製作するには、膨大な時間と予算がかかり、完成後も宣伝、販売のルートに載せる必要がある。それが10分程度にまとめられて、違法に出回っているとなれば、制作側のモチベーションも薄れてしまうし、「ファスト映画」をあたり前として育った世代が作る作品はどうなってしまうのだろうか。

「ファスト映画」は違法であり、映画業界の利益を阻害している。とはいえ、単純にネタバレだから悪いとか、引用だから悪いというように、すべての映画紹介や映画評論が「ファスト映画」だという誤解によって、何も発信ができなくなってしまうことも問題だ。それもまた映画業界の利益を阻害していることにもなりかねない。

 ネットで何でも観れるようになった昨今、モラルやルールの境界線がわからなくなってしまっている。映画紹介のあり方を「ファスト映画」の1件を機に改めて考えるべきだろう。

<TEXT/映画ライター バフィー吉川>

映画評論家・映画ライター。映画情報&批評サイト「Buffys Movie & Money!」を運営中。Stand.fmなどの音声メディアで「バフィーの映画な話」も定期的に配信中。著書に「発掘!未公開映画研究所」(つむぎ書房)がある

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