スマホで脳が過労状態に。死を招く「現代型ストレス」の3大要因
とにもかくにもストレスフルな現代社会。コロナで思う存分ストレス発散できない日々が続き、爆発寸前の現代人は増える一方……。我々はこんな時代に、どうやってストレスと向き合えばいいのか? 効率的かつ抜本的に解消するメソッドを最新科学で導き出す。
現代人はなぜこれほどストレスフルなのか?
昨年(2020年)12月に朝日新聞が行った世論調査によると「新型コロナの流行で以前よりストレスが増した」と回答した人は半数超えの53%。ストレス社会と言われて久しい現代だが、コロナが追い打ちをかけたことで、めったにないほどストレスに満ちた時代が今、訪れている。
そもそもなぜ、我々はこれほどストレスを感じているのか。精神科医であり禅僧の川野泰周氏はこう分析する。
「現代人のストレスの最大要因は“情報過多”にあります。元来、生物にとってのストレスは生命に危機が迫った際の恐怖や不安が大きな要因でした。現代ではそうした不安を感じる機会は減ったものの、ネット環境やデバイスの発達により、自身に影響が及ばない情報によっても脳や感情が刺激され続け、自律神経のバランスが乱れる。極めてストレスが発生しやすい状態になっているんです」
スマホで脳が過労状態にある現代人
人間の自律神経は、昼間や活動時に活発になる「交感神経」と、夜間やリラックスしているときに活発になる「副交感神経」の2種類のバランスで成り立っている。
しかし、本来不必要な情報の刺激を受け続けると、脳が興奮し、交感神経ばかりが優位に。心身をリラックスさせてストレスを緩和させる副交感神経の作用が弱まることで、ストレスから抜け出せなくなっているというわけだ。
「四六時中スマホやPCから情報を浴び続けている現代人は脳が過労状態にあります。つまり、技術の進歩によって情報が次々と飛び込んでくる時代になったものの、それらを処理する脳がついていけていないということ。こうなると自身のストレスや疲労を脳で正しく感知してリセットすることができず、さらなるストレスを生む悪循環に陥るばかりです」(川野氏)