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お荷物社員から外資系管理職→起業家に。ストレス対策に「鋼のメンタルは必要ない」

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認知行動療法を広めるべく起業を決意

リラックス 職場

「世の中には自分だけでなく、多くの人がストレスや不安に悩んでいることを知って驚きました。認知行動療法を広めることでその問題を解決したいと考え、2020年に退職してマイコーピング株式会社を立ち上げました」

 マイコーピングでは「予防的な形で、ストレスにうまく対処する力を身につけてもらう」ことをミッションに掲げ、2020年夏から招待制の形で認知行動療法のオンラインカウンセリングサービスをスタート。

 徳政さんの思いに賛同した臨床心理士の岩間優子さんがカウンセリングを担当し、徳政さんはその運営に加え、オンラインラーニングサイトで認知行動療法の講義を行うなど、SNSやメディアを通じたコンテンツ展開を進めている。

「認知行動療法では通常、10~15回ほどカウンセリングを行い、数か月かけて心理傾向を変容させていきます。しかし、精神状態が悪化してからでは時間も費用もさらに大きくかかってしまいます。だから、問題が深刻化する前に予防的に取り組むことが非常に大事なんです」

鋼のメンタルよりも“しなやかさ”を

「私も高校生、浪人生の時に認知行動療法と出会っていたら、間違いなく人生が変わっていたはずです。当時のストレスへの対処力が10だとしたら、今は80~90くらいあると思います

 でも、必ずしもストレスに強くなったわけではないんです。それよりも、自分を冷静に俯瞰できるようになり、ストレスを相対的にとらえて、うまく“対処”できるようになったことが大きかったんです」

「誤解されやすいのですが、筋トレのように、心を鍛えて“鋼のメンタル”を作ることがゴールではないというのは大切なポイントです。目指すのは、ヤナギの木のように、ストレスを“しなやかに”受け止められるようになること。こうなると、人生で襲ってくるさまざまなストレスにうまく対応できるようになります」

 現在は今春のサービスリリースを目指して事業を進めているが、大きなハードルとなっているのが、メンタルヘルスに対する日本社会のタブー意識の強さだ。

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