商社を辞めて海外に出た私が見つけた「年収600万円、ムリしない働き方」
年600万円以上は稼がなくていい
現在は、東京の会社に勤めながら、住んでいるのは地元の茨城県です。
「やりたいことはたくさんありました。でも、適性がわかっている仕事を選んだほうが時間を無駄にしないで済むと思い、2社目でも人事職を志望しました。IT企業を選んだのも、リモートで働きやすかったり、服装をかっちりする必要がなかったりと、カジュアルだからです。
今はフルリモートで働いているので、茨城県で実家暮らしをしています。落ち着いた環境のなかで、自分の好きなことに時間を使っているので毎日が楽しい。趣味のマンガをたくさん読んだり、気になる資格の勉強をしたり……。もちろん、イラストの仕事も続けています」
物価が安い地元で、光熱費もかからない実家暮らしは、「やっぱり金銭的な余裕を持ちやすい」と痛感するそう。
「当たり前ですが、心置きなく趣味にお金を使えます。2社目ではなんだかんだ年収も上がって、今は600万円くらい稼いでいます。でも、これ以上、稼ぐには、より忙しく働くことになると思うので、今くらいの年収で固定費がかからない場所で暮らすことが、自分には向いている気がしています」
人事として、働く若者に伝えたいこと
人事として働いている小林さんは、これから就職する学生や若いビジネスパーソンに、伝えたいことがあるのだそう。
「新卒の採用面接の時によく思うことなんですけど、自己PRを話す時、ストーリーの奇抜さって別に重要じゃないんですよ。どんなに小さなことでもいいから、その出来事であなたが何を考えたのかが知りたいんです。サークル長もバイトリーダーもしてなくて大丈夫だし、“〇〇してた”は重要じゃないんです。
私は自分がやりたいことを実現させるために海外や北海道に行ったけど、行くことは誰でもできる。そこで多くのことを感じて、その熱意が伝わったことが、キャリアアップ転職できたきっかけだったと思います」
2022年卒の就活生は、リモート面接、オンライン説明会の可能性が高く、企業への自己アピールが難しくなると予想されます。
「奇抜なエピソードを“盛る”と、企業はあなたらしさを見抜きづらくなります。2021年以降の就活は、自主的な業界研究と、自己分析が大切になると思います。オンラインだからこそ気軽にできることもあるので、自分のペースで挑戦を続けて、自分らしく生きていける企業とマッチングするために頑張ってほしいです」
やってみたいことが見つからないうちは、まず行動してみることが大切。コロナ禍ではできることの幅は狭まっていますが、試行錯誤してみてもいいかもしれません。
<取材・文/ミクニシオリ 写真/小林エリカ>