せやろがいおじさんが明かす「某所からの出馬要請」と、それを断った理由
芸人のすごいところは、伝えられる力
――発信を続けるなかで、自分を構成する「お笑い芸人である」という部分で、大切にしていることは?
榎森:芸人のすごいとこって「伝えられる力」だと思っていて、舞台で自分の思っていることを伝えて、「笑い」という一番分かりやすい生理現象となって起こる。その瞬間が僕は好きで、今やっていることも芸人としての活動から外れていないと思っています。
教師をやりたかったのも伝えられる力を活かせるから。ただ、それだと生徒の側が言葉の本当の意味を理解する10年後とかになってしまう。「先生、あのときはありがとう。今なら分かります」って。
でも、僕はせっかちだから、芸人のシンプルな力が好きだし、芸人の伝えられる力をもって難しい話題でも笑いを取れたら、それが腕の見せ所にもなると思っています。
活動のきっかけは荻上チキさん
――もともと政治的なこと、社会的な問題に感心を持たれたのは、荻上チキさんの影響があると本に書かれていました。
榎森:時事やニュース、政治、社会問題を話したら、チキさんの足元にもおよばないレベルですし、チキさんはユーモアのセンスもあります。ただ確かに、僕は芸人的な「わ~!」としゃべりながらのアプローチで話せるので、チキさんのお話をさらにかみ砕いて、僕なりのフィルターを通して発信するというやり方はあるかなと思います。
――ほかにも、榎森さんが影響を受けた人はいらっしゃいますか?
榎森:最近だと、安田菜津紀さん(フォトジャーナリスト)とかは、Twitterの発信やご自身がされているメディアを見ていて、言葉選びもいいですし、攻撃的すぎず、問題だけをただ指摘していて、しかもわかりやすい。安田さんの言語能力は憧れます。
――言葉への興味はせやろがいおじさんの活動を始めてからですか?
榎森:勉強はしてなかったんですけど、国語の成績だけはもともと良くて、そうした言葉的なものはもともと関心がありますね。