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アップルの新型Macはどこが凄い?「処理速度3倍」など驚きの進化も

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M1のどこががスゴいのか

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 M1を含むApple製品向けチップの製造を担当するのが、「台湾積体電路製造(TSMC)」という台湾のメーカーだ(製造拠点は中国大陸に立地)。Intelを凌駕する技術力を蓄え、いまや半導体製造技術のトップリーダーになっている。

 そんなTSMCでは、M1の「5nm」プロセスよりも稠密な「3nm」「2nm」プロセスでの製造も実用化の目処が立ったと報じられている。つまるところ2~3年先には、M1のさらに数倍の処理能力を持つCPUが現れたとしても不思議ではないのだ。それを待つか待たないかは人それぞれだが、これからしばらくの間、Apple×TSMCの天下が続くことは間違いないだろう。

 また、MacのM1化はAppleの収益構造にも貢献する。M1の設計は、iPhoneやiPadに搭載されているAシリーズのチップと大部分で共通化されている。これらApple製品の出荷台数を合計すると、年間1億台を上回る。したがって、設計・生産の段階においてもAppleはスケールメリットを享受できる。従来よりも高性能なチップを安く作ることができ、しかもIntel製チップを採用し続けるライバル企業を出し抜けるのだから、まさしく濡れ手に粟だ。Power PC時代のAppleの苦難を思うと隔世の感がある。

Intelとの関係は終焉へ

 ホームコンピュータ用のOSとして、Macは長らくWindows PCの後塵を拝してきた。2005年にAppleは、MacにIntel製CPUを搭載。同時に「Boot Camp」という機能を公開し、Macのハードウェア上でWindows OSが動作するようにした。仇敵だったはずの「Wintel陣営」への歩み寄りである。

 しかし今回のM1チップ移行で、15年に及ぶAppleとIntelの蜜月は終わりを迎えることになった。高性能の新型Macは、IT業界全体のゲームチェンジャーになり得る存在だ。

 スマートフォンとタブレットの普及以来、一般家庭におけるWindows PCは存在感を減じている。とりわけiPhoneとiPadで育った世代に快く受け入れられるのは、iOSと同じアプリが動く新型Macのほうだろう。

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