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グーグル、フェイスブック…IT企業の働きがいは?社員の口コミ評価ランキング

ビジネス

イトクロ…人材の長期育成に優れている

通勤風景

※イメージです(以下同じ)

 続いて、企業間で評価が分かれている「人材の長期育成」について、スコアが高い順に企業を並び替えました。

【人材の長期育成ランキング】
1位:株式会社イトクロ
2位:株式会社ビーボ
3位:株式会社ネットプロテクションズ
4位:株式会社grooves
5位:EBA株式会社
6位:株式会社ユーザベース
7位:株式会社I-SEED
8位:株式会社Sola.com
9位:株式会社アトラエ
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圏外:株式会社リクルートライフスタイル(2.8)

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「人材の長期育成」については総合ランキング上位の企業が4社入っていました。この観点ではGAFAの日本拠点(Google・Facebook)やリクルートグループ企業(リクルートライフスタイル)は上位に入っていません。

 イメージがつかみやすいよう、「人材の長期育成」観点で評価が高い企業のコメントと、総合ランキング上位の中で「人材の長期育成」観点が低めの企業のコメントをご紹介します。

【平均評価が高い:イトクロ社員の口コミ】
 インターネット業界には珍しく非常に堅実、真面目な社風です。仕事の仕組み化、業務の改善、職場の整理整頓等に重きを置いています。直近では、社員としてあるべき人材像と仕事の進め方の定義、およびその浸透を図るべく、幹部社員が中心となってその明文化と、チェックテスト等の施策を実施しています(営業、在籍3年未満、男性)。

【平均評価が低い:リクルートライフスタイル社員の口コミ】
 自分で仕事を推進するという姿勢は身につく。ただし、「自分で」という部分が強いため、基本的には個人事業主の集まりのような会社。そのため、GMなどから具体的なフィードバックや指導は極めて少なく、なにか困ったら相談する程度で考えられなければ、会社での居心地は非常に悪いものになると思われる(CRM、在籍3年未満、男性)

 このようにクチコミを比較すると、「長期育成を重視=仕組み化・教育を重視」であることがわかります。一方、「個人の業務推進能力」を高いレベルで求めるタイプの会社(Google・Facebook・リクルートライフスタイル)は、業績も良いのでメディアでも目立つ存在になりやすいですが、仕組み化・教育はそこまで手厚くない傾向にあるので、覚悟が必要です。

インターネット業界の上位9社を比較

 ここで、まとめに入ります。総合ランキング上位9社の比較結果を表にまとめるとこのようになりました。「OpenWork」内の情報(残業時間・有休消化率)と、各社の有価証券報告書・公式サイト掲載のデータ(収益・当期利益・平均年収・従業員数)を使って比較してみます。

インターネット

表:インターネット業界上位9社の比較表(筆者作成)

 インターネット業界の場合、

・(外資系企業が)日本拠点の数値情報を非開示にしている
・持株会社が上場しているものの、企業単位での数値は非開示
・未上場のため、決算公告で確認可能な一部情報しか開示されない

 という事情により、公式発表尾での数値での比較が難しい状況でした。しかし、ここにはOpenworkという働く人にとっての強い味方があります。各社の特徴を把握するために、クチコミのうち「企業分析[強み・弱み・展望]」カテゴリを中心に各社の花形事業など、各社の特徴・カラーがわかるクチコミを集めました。

【グーグル合同会社】
強み: Googleのブランドはやはり強い。また、検索や広告といった大量のデータやトラフィックが生まれる環境で揉まれて実用化まで至ったシステムを提供しているため、そういった領域では良いプロダクトがある。

弱み:クラウドに於いては製品の安定性や使いやすさ。今まではプロダクトアウトで検索やメール、マップといったもので成功してきており、プロダクトを置いておいたら使いたい利用者が勝手に使い、たまに壊れたら直すという文化だったため、高い安定性を求めるエンタープライズ企業への製品を提供するという状況に適応しきれていない。製品エンジニアはお客様との接点もなく、変更で気軽に壊しお客様の環境へ影響を与えることがよくある。 また、Googleは社員を大切にするためサポートでもお客様よりは社員の方向を見ている(リテンションを気にする)節があった。これは最近変わっているが、逆に今までいた優秀な社員がチームを抜ける要因になっている。

事業展望:クラウドは昔は中小規模の技術力の高い企業をターゲット顧客として見ていたが、最近はエンタープライズへ舵を振っており、セールス組織にも力を入れており広告に次ぐGoogleの収益領域となることを目指している。会社組織としては正しい方向に向かっているように思えるが、セールスの給与のベースを下げてのインセンティブ偏重化や全体として今まで以上のお客様へのコミットを求められ、この組織で働く立場としては前より大変になっていくように思える(クラウド、テクニカルソリューションエンジニア、在籍3~5年、男性)。

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