伊勢谷友介は叩かれすぎか?薬物依存の問題点を専門家に聞く
大麻の依存性は他の違法薬物に比べ低いが…
薬物を常習的に使用し依存症となる割合はどうなるのか。有名な研究では、医学雑誌「ランセット」に掲載された論文で、さまざまな薬物の依存性や害を比較したものがある。
それによると、依存性が大きい薬物は、順にヘロイン、コカイン、タバコ、アルコール、睡眠薬(バルビツール)、覚せい剤、大麻であった。また、害については、ヘロイン、コカイン、睡眠薬、アルコール、覚せい剤、タバコ、大麻の順であった。
上記の研究も含め、様々なケースを統合し依存症のなりやすさを検討すると、ニコチン80%、ヘロインは35%、覚せい剤は約20%、大麻は9%、アルコールは4%の順になっている。
自己使用は非犯罪化とする国も
「大麻は10%を下回っています。依存症になる人もさることながら、海外では嗜好品として使っている人も多い。常習的に使用して意志の力で止められなくなるというより、時々使うといった具合でしょうか。
依存症になりやすいリスクでいえば、たばこに含まれるニコチンのほうが上で80%を越えていますから、大麻よりたばこのほうが嗜癖問題に発展しやすいわけです」
大麻に関しては、自己使用は非犯罪化とする国もあり(合法化している国はごく少数)、日本でも議論されることがある。そうした動向に対して斉藤氏はこう述べる。
「常習的な大麻の使用には、脳機能の障害、呼吸器系の障害、生殖能力の低下などの健康被害があります。また、大麻使用下での交通事故のリスクも懸念されていますので、私個人としては合法化する必要はないと考えています。
現行の法律だと、覚せい剤の場合は、所持・使用が禁止され、違法とされています。ただ、大麻の場合、所持は禁止されていても、使用だけでは違法にあたりません」