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宇宙誕生の秘密。ビッグバンのおかげで人類は誕生した?

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 2020年9月に米スペース社が衛星群の打ち上げを2回、10月14日にロシアのソユーズロケットで国際宇宙ステーションに3人の交代要員を打ち上げ、10月23日以降にスペースX社のファルコン9ロケット(商業用打ち上げロケット)など、これからの時期、話題になりそうな衛星やロケットの宇宙への打ち上げが続きます。

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※イメージです

 宇宙への人類の探求心が尽きることはありません。さて、宇宙はそもそもどのようにできたのでしょうか?

 ビックバンって大きな爆発があって……と、なんとなくは知っているけど、しっかりと説明できる人は少ないのではないのでしょうか。そこで、2019年4月に世界で初めてブラックホールの撮影に成功したプロジェクトの日本代表で、国立天文台教授・水沢VLBI観測所所長の本間希樹氏に宇宙の起源を聞いてみました。

宇宙の始まりは今から138億年前

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イラスト/吉田戦車

――さっそく、宇宙の成り立ちについてお聞きします。そもそも宇宙っていつごろ誕生したのでしょうか?

本間希樹(以下、本間):宇宙の始まりは今から138億年前だったといわれています。今でこそとてつもなく大きな宇宙ですが、生まれたばかりの頃は、小さな小さなひとつの「種」のようなものでした。その直径は、「10のマイナス34乗cm」程度といわれています。超高性能な顕微鏡でも絶対に見えないくらいの小さなサイズだったのです。

――宇宙ってそんなに小さかったのですね。いったいどうやって今のような形になったのでしょうか?

本間:宇宙の「種」は、誕生後わずか10-34秒(1の後に0が34個続く数で1秒を割った時間)という短い時間に爆発的なスピードで膨れていきます。その中で「真空の相転移」という現象(水が氷に変化するような現象)がおきて、莫大なエネルギーが解放されました。

 この現象は、「インフレーション(膨張)」と呼ばれています。そして、エネルギーを注入された火の玉のような宇宙が爆発し、膨張していくことで、私たちが現在住む宇宙ができ上がりました。これが有名な宇宙最初の爆発「ビックバン」です。

ビッグバンを発見したのは元ヘビー級ボクサー

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イラスト/吉田戦車

――有名なビックバンですね。でもビックバンがおきたってどうやってわかったんでしょうか?

本間:ビックバンを裏づける証拠はいろいろあります。そのひとつがいま現在も「宇宙は膨張している」という事実。この事実に気づいたのは、アメリカ人の天文学者であるエドウィン・ハッブルで、1929年のことです。

 彼は20世紀最大の天文学者のひとりといわれています。でも頭でっかちのガリ勉タイプだったというわけでもないようで、スポーツ万能で、高校時代は陸上で才能を開花。さらに大学時代はヘビー級ボクサーとしても活躍した文武両道の人物でもありました。

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