日本のコロナ対応に「甘さを感じた」営業マンの声。インドネシアでは検温も…
「緊急事態宣言」が発令されるなど、私たちの生活への影響も少しづつ強めつつある新型コロナウイルス。一方で、連日報じられる海外での大規模パンデミックの影響は、島国であるためか、なかなか直接的には感じづらいのではないでしょうか。
そんな中、「比較的、早いうちから新型コロナウイルスの影響を受けていた」と語るのは化学メーカーで海外営業をしている橋本香織さん(仮名・24歳)。中国での流行から、世界的な流行に至るまでの中で、新型コロナウイルスが橋本さんの仕事へもたらした影響を聞きました。
始まりは工場の操業停止から
「新型コロナウイルスの影響は、1月末に中国の生産工場が数週間の操業停止をしたのが最初だと思います。それほど大きな影響はなかったのですが、納期遅れが発生しないか、在庫確認や中国生産部品の生産状況のチェックなど対応に追われました」
また、香港の現地職員からはこんなこぼれ話も。
「新型コロナの流行以前は民主化デモの影響で、香港ではマスクの着用が禁止されていました。しかし、流行後はマスクの着用を推奨する空気が生まれたようで。現地職員から『今度はマスクつけるのかよ(笑)』という笑い話として聞かされました。
まあ、うちの会社も会社で、民主化デモから新型コロナの流行まで一貫して通常勤務の方針だったので『お前の企業はクレイジーだ』と言われていたんですが……」
1月末といえば、日本では「ダイヤモンド・プリンセス号」の事件も起こっていないころ。しかし、海外に多数の販売会社を持つ橋本さんの会社では、早いうちから危機感を持って新型コロナに向かっていました。
都市封鎖される前に滑り込む
「自分の仕事への直接的な影響は、年度内の海外営業を前倒しで2月に全て行うことになりました。私は東南アジアの担当なのですが、3月に入ってからインドネシアで都市封鎖も実施されたので、前もって対応できていて良かったと思います」
一方で出張当時の東南アジアと日本の新型コロナへの対応にギャップを感じたともいいます。
「インドネシアへの出張の際には感染経路をたどれるよう、入国の際に身元証明書を書かされました。他には、どのビルでも入館時には検温をさせられて、緊張感の高まりを感じましたね。一方で、当時の日本はまだまだ通常営業で、渡航経歴を確認されることもなく、東南アジアとの対応の差に正直『え、大丈夫なの?』と思いました」