新型コロナ報道のカタカナ用語、意味わかる?パンデミック、クラスター…
新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延が続く中、聞きなれないカタカナ用語を耳にしたり、「これは英語でどう表現するんだろう?」ということもあるのではないでしょうか。
そもそも、「ウイルス」はわかるけれど「コロナ」と呼ばれる意味はご存知ですか? それは新型コロナウイルスを顕微鏡で見ると、太陽の周りにできる光環(Corona)に似ているからとか。「暈(かさ)」とも呼ばれますね。それに由来しています。
また、新型コロナウイルスという時の「新型」はNovelを使います。「小説」という意味で馴染みのある単語ですが、「新しい」「新奇な」という形容詞でも使われます。A novel opinionと言えば、「斬新な意見」の意味。
【第70回】新型コロナのカタカナ表現
今回のような感染症が突発的に発生することはOutbreakと言います。日本語でもアウトブレイクとカタカナで言われることもありますね。
もしかすると、Outbreakより、Breakoutのほうが「馴染みのある単語」という人も多いのではないでしょうか。Break-out sessionのようにも使われます。「分科会」の意味、Concurrent sessionとも言われますが、同時進行で複数のセッションが行われる時などに使われます。Breakout roomはそのような分科会を行う部屋を指します。
また、吹き出物もBreakoutと名詞形で使われます。Your back is breaking out.と言えば、湿疹などが背中にできているのでしょう。毛穴が開いてしまって(Break)、吹き出物が外に向かって(Out)できているイメージです。
クラスター(Cluster)の意味は?
同じようにカタカナで使われることの多い単語に、オーバーシュート(Overshoot)があります。一般の会話ではWe overshot our exit.「高速などの出口を通り越してしまった」のうに使います。ダーツをしていて、的を越えて投げてしまった時もOvershootです。
どちらにしても「行き過ぎる」の意味。また、電気用語では「オーバーシュート」とカタカナで使われますね。しかし医学用語では、最近よく使われているように、世界規模で感染症が同時に大流行することを指します。
また、クラスター(Cluster)も「群れ」や「集団」の意味で一般的に使われる単語です。もちろん、今回の例では感染者の集団を指しますね。しかしITや物流でも使われる用語です。小さな爆弾を大きな入れ物に入れて作られたクラスター爆弾(集束爆弾)と呼ばれるもののクラスターも、このClusterです。
パンデミック(Pandemic)の「パン」
パンデミック(Pandemic)も耳にしますね。これは感染症の「世界的流行」です。Panは水泳の「パンパシフック選手権」でも使われています。「環太平洋」のように、「すべての」を意味する接頭辞です。もっと感染症の広がりが限定されている場合は「地域流行」を意味するEndemicが使われます。
一定の地域に一定の罹患率の感染症や、季節周期で繰り返されるものを挿します。Epidemicは、これらの間に存在しています。通常の予想値を超えて罹患したり、これまで流行のない地域で感染するなど、予期せぬ状況を指します。
<TEXT/木内裕也>