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積立投資をやってる人が「コロナ不況」で絶対にNGな行為

コラム

積立投資は、暴落時にやめたら意味がない

――いきなり貴金属はかなりハードルが高いかもしれないが、今、日本では年金に頼らず老後資産を作ろうとする若い人が増えています。今回の下落でiDeCoやNISAが含み損になっていますが、どうすべきですか。

KEN:積立投資は、含み損になっても継続するべきです。積立投資で老後資金を作る場合、非常に長いスパンで投資を行うことになります。その中では、今回のようなショック的な暴落には投資を行っていく上でほぼ必ず遭遇することになります。

 ショックに遭遇すると、積立をやめたほうが良いかと考えてしまいがちですが、積立投資の醍醐味は、下落時(株価水準が低い時)に多く買えることです。その後、株式市場が上昇すれば、下落時に多く買っていた部分の利益が大きく乗ってきます。

 初心者はもちろんですが、株価の値動きはプロでも正確に当てることはほぼ不可能なので、暴落や今回のようなコロナショックが発生しても積立を止めるのではなく、粛々と続けていくべきだと思います。それが、老後の資産を形成するうえで大切なことです。

証券口座、投資信託でおすすめは?

株式 投資
――では、おすすめできる商品はありますか。

KEN:「S&P500」に連動する投資信託です。S&P500は、アメリカを代表する株価指数で、ここ50年ほどを見ても年率7%前後の高いパフォーマンスを叩き出しています。

 私が尊敬している投資の神様ウォーレン・バフェットも、自分がなくなった後の資産の管理について妻に「資産の90%はS&P500、残り10%は政府短期国債に投資せよ」と述べているほどです。

 個人的には、ポイント投資ができることもあって「楽天証券」で毎月のポイント分を積み立てています。楽天は証券と銀行があるので、どちらも作っておくと便利だと思います。他ではSBIも証券と銀行があるので便利かと思います。資金のやり取りが何かと便利ですので。

 投資信託では「emaxis slim」シリーズ(株価指数や債権指数=インデックス=連動の投資信託シリーズ)がおすすめです。この商品は信託報酬を常に業界最低水準に保つことが公約とされており、他社が信託報酬を引き下げ最低水準が切り下がると、追従して信託報酬を下げる仕組みになっています。

 インデックスの長期投資では信託報酬部分のコスト削減は投資家にとって非常に大切ですので、常に最低水準を保ってくれる商品は投資家にとって有り難いです。ETFでは、「バンガード・S&P500 ETF」(VOO)などがおすすめです。通常の投資信託と比較して、コストが低い傾向にありますので、自分で注文を出せる人には良いかもしれないです。

<取材・文/栗林篤>

元IT企業のサラリーマン。株主優待と家賃収入で細々と暮らすフリーライター。著書に『サラリーマンのままで副業1000万円』がある

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