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「早大3羽ガラス」だった西武・大石達也が引退。野球の歴代「3羽ガラス」の現在

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高校ビッグ3は今でも個性を発揮

 北海道日本ハムの四番打者・中田翔(大阪桐蔭高)、千葉ロッテマリーンズの唐川侑己(成田)と共に「高校ビッグ3」として、2007年ドラフトで5球団から1位指名を受けたのは佐藤由規(仙台育英高)

 東京ヤクルトスワローズに入団すると、1年目から一軍のマウンドに登る。3年目には二桁勝利を挙げ、期待通りの実力を発揮。さらに球速161kmを記録するなど本格派右腕として球界にその名を轟かせた。翌年も先発投手として活躍するも、以降は怪我により登板機会を減らしていき、2018年オフにはヤクルトから戦力外を通告され退団、今季は東北楽天と育成契約を結んだ。

 9月26日のシーズン最終戦の9回に移籍後初、実に481日振りの一軍マウンドに立ち、打者3人を抑える。それは来シーズン、再びその雄姿がみられることへの期待を膨らませるに相応しいマウンド姿でもあった。

 日本ハムの主軸として今なお存在感をみせる中田翔、入団1年目から途切れることなく勝ち星を挙げ続け、今季はリリーフ転向で輝きを取り戻しつつある唐川とともに、高卒ビッグ3と呼ばれた彼ら3人のストーリーは、キャリアの折り返しを過ぎても、もうしばらく紡がれていくはずだ。

プロに挑む「東洋大3羽ガラス」

 2018年のドラフトで入団、つまり今シーズンのルーキーとして戦い、それぞれが1年目からしっかりと爪痕を残したのは「東洋大3羽ガラス」との異名で呼ばれた3人の若きプレーヤーたちだ。

 ソフトバンクホークスの甲斐野央(かいの ひろし)は開幕戦からリリーフでの登板を果たすと、年間を通して救援陣の一角として存在感を存分に示した。速球とフォークボールを武器に、登板した投球回を大きく上回る奪三振数を記録するなど前評判通りのパフォーマンスを披露した。先のクライマックスシリーズでも2勝を挙げ、ホークスの連続日本一へ向け、もはや欠くことのできない存在にまで登り詰めた。

 横浜DeNAベイスターズの上茶谷大河(かみちゃたに たいが)もシーズンを通して一軍のマウンドに登り続けた。大学時代には奪三振のリーグ記録を樹立し、鳴り物入りでドラフト1位入団。プロ1年目から完封勝利も記録、先発ローテーションを守り抜き、7つの勝ち星を得て、DeNAのAクラス入りに大きく貢献した。先発投手として来季のさらなる飛躍が期待される。

 シーズン後半に一軍昇格、その後4勝を挙げる活躍をみせたのが中日ドラゴンズの梅津晃大だ。8月の初昇格後の初登板から、たて続けに先発として3連勝。特にリーグ覇者の巨人からは2勝をもぎ取り、最後の登板となった9月25日のヤクルト戦では6回を投げ無失点、3安打に抑える今季最高の内容で締めくくっている。

 低迷が続くドラゴンズの未来を背負う存在である梅津だけでなく、甲斐野、上茶谷とともに2年目以降のピッチングに、より大きな注目が集まることは間違いない。

<TEXT/佐藤文孝>

新潟県在住。Jリーグ、プロ野球、大相撲やサッカーW杯、オリンピックなど多くのスポーツの現場に足を運び、選手、競技から伝えられる感動を文章に綴っている

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