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ジャニーズ・吉本興業……芸能ニュースに対する男女の反応の差

コラム, ビジネス

検索ユーザーの関心はWikipediaとまとめ

 ジャニーズのキーワードで検索したユーザーの閲覧が多いページは、Wikipediaが上位10ページ中3ページを独占。なかでも1位「ジャニー喜多川」14.3万人が2位以下を3倍程度引き離し、死去報道をきっかけに創業者の来歴を調べたユーザーが多かったようです。

 Wikipedia以外は個人運営のまとめやブログが上位を占めました。上位はジャニー喜多川さんの来歴や葬儀に関する内容が中心で、「新しい地図」問題の公取委からの指摘は含まれませんでした。

 吉本興業関連も同じくWikipediaが1位と3位ですが、ジャニーズと違って自ら運営する企業サイトもトップ10に入りました。5時間に及ぶ岡本社長の会見が大きく取りあげられたことで、企業ガバナンスにも注目が集まったのでしょうか。

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図表 6 「吉本」「よしもと」で検索したユーザーの利用が多いコンテンツ(2019年7月、ブルーはWikipedia、ピンクは企業サイト)

 ちなみに両社とも売上高はリクナビにすら公開していません。年商500億~1000億円規模という説がありますが、ビジネス規模からみると意外にも資本金はジャニーズが1000万円、吉本興業が1億円です。

 2010年までは上場企業として投資家向け広報も行ってきた吉本興業の株主は日本テレビ、TBS、テレビ朝日などの放送局に加え、電通、ドワンゴといった大企業。上場廃止後の現在もそれなりに広報活動を充実せざるを得ないのでしょう。

 2016年以来更新のなかった「重要なお知らせ」ページは、今年6月から2か月の間に13件ものお知らせが掲載されています。

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図表 7 吉本興業HDの「重要なお知らせ」※画像は公式サイトより

芸能ニュースはどう動いた?騒動を受けて

 一連の加熱報道を受け、芸能ニュースを扱う「エンタメニュース」カテゴリーのサイトも7月はユーザーが増加しました。

 とくにデイリースポーツ、日刊スポーツ、NEWSポストセブンの3メディアは、直近1年で最高のユーザー数をマーク。スポーツ紙の発行部数は2000年の630万部から2018年には307万部へと半分以下に激減中ですが、久々に稼げるネタだったようです。

「ネタ・まとめ」カテゴリーは「ねとらぼ」だけが増加、「ネタりか」「ロケットニュース24」は逆にユーザーが減っていて、ゴシップのプロであるエンタメニュースに流れたユーザーがいたのかもしれません。

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図表 8 「エンタメ」「ネタ・まとめ」主要サイトのユーザー推移(PC+スマートフォン合計。丸は「エンターテイメント」、三角は「ネタ・まとめ」カテゴリー)

 ちなみに「総合ニュース」カテゴリーで2019年7月ユーザー数最多サイトは「朝日新聞」1510万人。デイリースポーツはその半分、日刊スポーツやスポニチは3分の1程度ユーザーを集めた計算です。

「ジャニーズ」「吉本興業」でキーワード検索したユーザーも、Wikipediaやまとめに加えてニュースサイトをよく見ています。とくに「吉本興業」に関心のあるユーザーはニュースサイトのリーチ率が高い傾向でした。

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図表 9 「ジャニーズ」「吉本興業」キーワードで検索したユーザーの閲覧上位ニュースサイト(スマートフォン、2019年7月。網掛けはいずれかの属性のみランクインしたサイト)

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