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「モンスト」不調のミクシィ。社員が案じる“IT企業らしくない”社風

ビジネス

IT企業ながら「牧歌的な雰囲気」との声

 実際にミクシィで働いている人は、同社の環境についてどのように思っているのだろうか。年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」ユーザーの情報から、3人の口コミを紹介する。

 はじめに社内の人間関係についての口コミを紹介したい。人間関係はおおむね良好ながら、それゆえの短所もあるようだ。

「職場の人間関係に問題を感じる。部署にもよるだろうが、全般的に穏やかで感じの良い人が多く、職場の人間関係は良好な方だと思う。ただしその分、社員同士で問題点を指摘し合うようなサービス向上のためのぶつかり合いは少ないかもしれない。進化がスピーディーなIT業界の中では、やや牧歌的な雰囲気の会社といえそう」(クリエイティブ関連職/30代前半男性/契約社員/年収430万円/2015年度に関する口コミ)

 人間関係の悩みを抱えずに働くことができるのはよいことだろう。しかし、その環境に不満を感じることや、スピードの遅さに危機感を覚えることもあるようだ。

トップダウンの風潮に危機感を覚える社員も

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※ミクシィ公式サイト「働く環境」ページより

 従業員同士の関係だけでなく、経営陣との関係性に問題を感じる社員もいる。

「経営方針に問題を感じる。全体的にトップダウンな風潮がある。ヒエラルキーの階層が深く、役員レベルの人物が末端側のチームのマネージャまでの管理職をすべて兼務するケースもあった。

 特にSNS事業においてはこの傾向が顕著で、決算のために短期の売り上げのみを要求してコミットメントが組まれるケースが多発していた。変化が早く顧客視点が重要なこの分野としては致命的なことなので、意思決定の権限移譲が行われるべきだ。このことは経営サイドと従業員の距離が遠いと感じる人の多さにも表れている」(ソフトウェア関連職/20代後半男性/正社員/年収750万円/2015年度に関する口コミ)

 経営側からの要求はあっても、社員同士での意見交換や意見を上に伝えるような仕組みはあまり整備されておらず、そのことに不満を感じる人もいるようだ。先の契約社員のクチコミにあった牧歌的な雰囲気は、この経営方針が作り出しているという側面もあるのかもしれない。

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