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「モンスト」不調のミクシィ。社員が案じる“IT企業らしくない”社風

ビジネス

 株式会社ミクシィ(以下、ミクシィ)が5月10日、2018年度通期決算を発表した。

決算 企業

※画像はイメージです(以下同じ)

 2018年度の売上高は、1440億円(前期比23.8%減)、営業利益は410億円(前期比43.3%減)で、3年連続での減収減益となっている。同社の苦境の原因はどこにあるのか、探ってみたい。

モンスト、利用者数は多くても収益は伸び悩み

 ミクシィの不調の原因には、2013年にリリースされた人気スマホゲーム「モンスターストライク」の伸び悩みがあると見られている。

 モンストがリリースされて5周年を迎えた昨年は、アニメ・映画の公開などの大型キャンペーンも行われ、同年の事業方針には「モンスターストライクの国民的IP化」が掲げられていた。

 2019年4月24日には「利用者数が5000万人を突破」と発表され、好調なイメージもあったモンストだが、今回の決算で明らかになったのは、ゲーム内課金などの消費行動と結びついていないという実情だ。同社は決算資料で「コンテンツがコアユーザー向けになり、ライトユーザー層の消費意欲が低迷している」と分析した。

 そんなミクシィだが、2018年度に続いて、今年度もモンストを経営の柱のひとつに掲げている。「仲間とワイワイ共闘することによる興奮」というモンスト本来の価値に原点回帰し、ライトユーザーの消費意欲を掻き立てることで再起を図れるか注目したい。

社名のミクシィから思いだすSNSの先駆け

モンスト

※画像は公式サイトより

 今でこそミクシィの顔となったモンストだが、20~30代には、社名にもなっているSNS「mixi」を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。2004年にサービスが開始され、当時まだTwitter、Facebook(ともに2008年上陸)、Instagram(2014年上陸)がなかったため、日本の“SNSの先駆け”ともいえる存在だった。

 アカウントをすでに登録している人の紹介でないとアカウントが作れない、誰が自分のページを閲覧したかがわかる「足あと」機能などで人気を博した。今でいう相互フォローの関係をマイミクという独自の言葉で表現する文化も定着し、2010年には会員数が2000万人を突破した。

 1997年に求人情報サイトの運営から事業をスタートした同社だが、当初の会社名はイー・マーキュリーであった。mixiのヒットから2006年に社名を現在のものに変更し、同年に東証マザーズに上場を果たしている。

 SNSのmixi、そしてゲームアプリのモンストと一大ムーブメントを作り出しているミクシィ。2018年3月末時点での従業員数は776人と発表されており、Yahoo!ファイナンスによると平均年収は665万円(平均年齢33.2歳)だ。

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