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年金ってオワコン?20代が払って意味あるの?お金の専門家が解説

コラム

もらえるであろう年金額がわかった後のステップ

年金

 ねんきんネットで確認した金額が思っていたより少ないと感じた人は、まずは納めていない期間がないかを確認してみましょう。たとえば、学生のときに学生納付特例の申請をしていて、年金を納めてなかった場合が考えられます。学生納付特例制度は、「学生の間は支払いを待ってあげますよ」という制度なだけで、支払う義務がなくなるわけではありません。10年以内であれば、支払っていなかった期間の分を今からでも納めることができます。

 フリーランスの人や過去に休職をしていたり、自分で納める必要があったのに高いのであえて納めていなかった人は、特に気をつけなければいけません。そのような人は、必ず自主的に納めなければならず、あまりに納めていない期間が長くなってしまうと、もはや年金自体がもらえなくなってしまうかもしれません(編集部注:納付期間が10年以上ないと、年金の受給資格そのものがなくなってしまう)。

 あとから納めた場合、フリーランスであっても、会社勤めであっても、確定申告や年末調整などで所得税の控除(年末調整や確定申告で税金を減らす材料となる)になるというメリットもあります。納めていない期間があるならば、将来のためにも、今からでも少しずつ納めておくようにしましょう。

 とはいえ、私たち世代はもらえる年金自体が、もしかしたらそこに書いてある金額より減少するかもしれないということを心に留めておかなければならないのですが……。

「年金を払うべきかどうか」の最終結論

横川楓

横川楓さん

 このままもらえる年金はどんどん下がってしまうのかどうか……。

 さすがに制度自体がなくなることはないはずです。しかし、私たち、そして私たちの子供世代が高齢者になる頃には、少子高齢化もさらに進み、私たちのための保険料を納めてくれる働く世代も減ってしまい、もらえる年金は、もしかしたら今よりすごく少なくなるかもしれません。また、受給年齢(年金をもらえる年齢)が70歳、80歳など、さらに引き上げられてしまい、年金がもらえる年齢になるまで長生きできなかったという人が出てくることも考えられます。

 そんなことを考えていると、つい「払いたくないな」なんて思う人もいるでしょう。しかし、年金はハタチになったときから、法的に義務として払わなければならないものです。また、今の自分に何かが起きて障害年金・遺族年金が必要になってしまう可能性もあります。

 私たち世代は、年金に対してはあまり希望を抱かない。でも、払わないといけない(会社員だと、そもそも払わざるを得ないのですが……)というスタンスでいるしかないのです。また、年金についての政策を考えるのは、政治家です。となると、選挙をはじめ、政治としっかり向き合うこともとても大事になっていきます。「年金がもらえるから老後は安心」と思っている人はきっといないと思います。

 何より大切なのは、私たち世代は将来年金制度がどうなっても、生活に影響がないくらいのお金を自分でしっかり用意しておこうと心得て、準備しておくことです。

<TEXT/横川楓 構成/bizSPA!編集部>

1990年、東京生まれ。明治大学法学部卒業後、同大学院へ進学、経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)等を取得。現在は唯一のミレニアル世代のお金の専門家/経済評論家として、お金の知識の啓蒙活動を行う。Twitter(@yokokawakaede)、Instagram(@cae0813)も更新中

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