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住宅購入は3月が狙い目? 元住宅営業マンが語る値引き販売の事情

コラム

 人生最大の買い物であるマイホーム。

東京

画像はイメージです(※以下、同じ)

 とりわけ懐事情が寂しい20代サラリーマンならば、「少しでも安く物件を購入したい!」と考えるのが心理というものです。

 不動産投資家の安藤しげき氏にオトクな物件購入の仕方を聞きました。

3月が「もっともオトクに」物件を買える

「1年を通して3月が住宅をもっともオトクに買えるチャンスです」

 こう語るのが分譲住宅の営業マンとして10年以上従事した経験を持つ、不動産投資家の安藤しげき氏だ。「3月が住宅購入の好機である背景には供給側の事情がある」と明かす。

「3月は多くの企業の決算期にあたります。建売住宅を供給するビルダーも同様で、3月末までに在庫を捌く強い動機となります」

 安藤氏のいうビルダーとは、年に数十棟程度建てるような中小ビルダーではなく、年間で数千棟以上建築するパワービルダーを指す。

 中小ビルダーだと経営体力的に値引き販売は望めないが、「パワービルダーなら他の現場でしっかり利益を確保したうえで、利益より売上を優先させる販売戦略を採る可能性がある」(安藤氏)とのことだ。

 供給側は新生活がスタートする4月を見越して、ある程度の販売物件を準備して臨む。一方で引き渡しまでの期間や、転居に伴う諸手続きを考えると、3月中旬を過ぎれば販売ピークは過ぎている。

 販売側からすると在庫化を嫌い期内の売上としたい、そこにチャンスが到来するという。

3月は銀行の決算期でもある

 さらに銀行も3月に決算期を迎える

 エリートである銀行マンといえども、ノルマに追われる点では営業マンと同じ。3月になれば支店や担当者によっては何としてでも数字をかき集めたい時期となる。

 銀行マンのなかには、自店の住宅ローン審査がスピード対応可能であることを住宅営業マンにアピールして回る者も現れるという。

通常1か月かかる契約から引き渡しまでの手続きを、2週間で完了させることもあります。そのためには銀行との取引実績や信頼関係が不可欠です」(安藤氏)

 スピーディーな契約は住宅営業マンの腕の見せどころであり、逆に来期の仕事に回ってしまえば売主側に値引きする理由がなくなるとのことだ。

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