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30代で「発達障害」と診断された男性。職場で申告した結果は…

暮らし

きっかけは昨今の発達障害ブームだった

 その後、中学、高校と進学しますが、10代は鬱屈した青春時代だったと石田さんは振り返ります。30代で診断を受けようと思い立ったのにはどのような経緯があったのでしょうか。

「ここ数年、発達障害ブームみたいな動きがありますよね。そこに影響されたというのはありますよ。気分屋で空気が読めなかったり、興味関心に偏りがあるとか、どうもそういう発達障害の特徴が自分に当てはまるんですよね。

 本当に苦労している当事者の方がいるなか、僕はどうも環境に恵まれていたのか、20代は何とかやってこれました」

 もともと気分の浮き沈みは激しい傾向はありましたが、30歳になったころから表情や態度にハッキリ現れるように。

「発達障害の二次障害として双極性障害が発症するケースもあるようで、何とかできるならと思い心療内科に診てもらうことにしました」

当事者が本当に怖いのは二次障害?

医療の現場―問診

 診断は思っていた以上にあっさり下されます。

「ADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉症スペクトラム障害)の併発に間違いないとのことでした。その日のうちにコンサータという薬の処方を勧められたり、あまりにもあっさりと診断が下りたのにはビックリしましたね。

 それから自分なりに発達障害関連のネット記事や、本を読むようになるんですけど、発達障害そのものより二次障害として統合失調症が発症したり、犯罪の要因になるという記述もありました」

 ASDの特性としては「他人の気持ちがわからない」とかよく言われています。

「仕事で求められるスキルと折り合いがつくかどうかも疑わしく思えたり、これからまともに生きていけるのか、診断を受けてからの3か月間は漠然とした不安に悩まされました」

職場へのカミングアウトはしたほうがいい?

 発達障害は、生まれながらの脳の特性により定型発達(発達が平均的)の人に比べて能力に偏りが生じてしまう点が挙げられます。仕事上のミスやトラブルの原因となることも多く、職場で自己申告すべきか否かに関しては意見が割れるところです。

「当事者の中には隠し通す人も多いと思います。でも僕はいまの会社の社長に恩があったし、あとで変に気遣われるもいやだったので社長には伝えることにしました」

 一部の社員にも共有してもらい、仕事内容に関してもいろいろと配慮してもらうようになったという石田さん。

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