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30代で「発達障害」と診断された男性。職場で申告した結果は…

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自分の問題と向き合うことで見えてくること

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 自分の発達障害の特性を受け容れたうえで石田さんが心がけていることはどんなことでしょうか。

「苦手なことやできないことは自分から伝えるようにしてます。僕はとにかく数字が絡むことが苦手。距離を測るとか、仕事における利益とコストのバランス感とか。仕事における自分の手に負えないことは多々あるわけで、そこは誰かにお願いするようにしています。

 一方で、常識や論理性を省いた発想力、行動力に関しては今までは評価されてきましたし、強みだと思う部分です。得意なこと、やりたいことなどは積極的に提案するよう意識しています」

お互いの相違の部分を受容できる関係に

 すっかり世の中に浸透し認知されつつある発達障害ですが、まだまだ偏見が多いのも事実です。石田さん自身、発達障害に対してどのような考えを持っているのでしょうか。

「世の中へのカミングアウトを受けて、『自分だけじゃない』という共感が生まれて、当事者同士のコミュニティ作られていく流れがあると思います。

 自分も! 僕も! 私も! というふうに同調して仲間意識が生まれることはいいことですけど、みんな強みも弱みも違うし、思い悩む事情も境遇もバラバラなんですよね」

 最後に、「十人十色のなかでお互いの相違の部分を受容できる関係が理想だし、それを突き詰めて考えると発達障害も定型(発達)も関係ない気がします」という言葉を残してくれました。

<取材・文/石井通之>

元エロ本編集者。高校卒業後、クリエイティブな分野に憧れて美術大学を目指すも、センスと根気のなさゆえに挫折。大学卒業後、就職した風俗雑誌の編集部でキャリアをスタートさせる。イベントレポートとインタビューが得意(似顔絵イラスト/koya)

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