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水商売の人が悩む「部屋が借りられない」問題。キャバ嬢用の不動産会社も

コラム

 新宿、歌舞伎町――。キャバクラやホストクラブなど、水商売の店がひしめく日本一の歓楽街。その一角に、“水商売で働く人たち”をターゲットにした不動産屋「クレスタ」がある。不動産屋にありがちな店頭にベタベタ貼られた物件の図面などはなく、若い女性でも気軽に入れるオシャレな店舗。

青木人生

「これから10年間は水商売への恩返し」青木人生さん

 そこには、部屋探しをするキャバ嬢やホストたちの姿……。この「クレスタ」で現場を率いるのは、現役キャバ嬢としても活躍中の青木人生さん(31歳)。青木さんは、「10年水商売をやったら、次の10年は恩返し」という気持ちで働いているという。

 青木さんはなぜ、ナイトワーク向けの物件紹介という仕事を選んだのか。そしてナイトワーカーたちの“部屋探し”の知られざる苦労とは――。今回、青木さんがクレスタと出会ったきっかけについて聞いてみた。

昼は不動産営業マン、夜は現役キャバ嬢

――青木さんは今も現役キャバ嬢として働きながら、昼間はクレスタで不動産の仕事をしているのですね。

青木人生(以下、青木):そうなんです。私が水商売を始めたのは19歳のときだったのですが、それからずっと夜だけじゃなくて昼間も働いています。最初の頃は大学生でもあったので、昼間は学生、そしてアパレルのバイト。

 で、夜はお店で働くという生活を続けていました。大学を卒業してからもバイトしていたアパレルのブランドにそのまま就職して。ただ、その後、体を壊したりしてしまい、そのアパレルはやめまして……。

――そこから不動産のお仕事に?

青木:ずっと昼夜兼業で働いていたから、水商売だけというのがどうしてもダメだったんですよ(笑)。だから、「なにか仕事はないかなあ」と思っていまして。そのときに一緒に働いていた女の子が、マンション管理会社で働いていて、「ウチに来たら?」と誘ってもらったんです。

 それまでは販売とか営業とか、そういった仕事ばかりだったので事務職も経験してみたい。それで早速、面接を受けさせていただきました。すぐに部長さんに気に入ってもらって、「明日からおいでよ」みたいな感じですぐに決まって(笑)。

水商売の子が借りられる部屋がなかった

歌舞伎町

※画像はイメージです photo by Kakidai CC BY 4.0

――さすが、水商売のキャリアが生きたというところですね(笑)。

青木:でも、早速、出勤してみたら、なぜか営業職の名刺を渡されたんですよ(笑)。「えー、事務職のつもりだったのに……」と思ったんですけど、まあしょうがない。結局、賃貸の営業をやることになりました。やってみると、これがまたいろいろ楽しかったんですよね。ただ、営業部門がなくなることになったので、1年で辞めてしまったのですが。

――なるほど。それが今のクレスタにつながるんですか。

青木:私はクレスタの立ち上げ当初からお客さんだったんです。私自身が水商売で家を借りていまして、今、住んでいる部屋もクレスタを通して。で、不動産の仕事を始めたところ、同じお店で働いている子からもよく相談されるようになりました。「なかなか審査が通らなくて部屋が決まらない」みたいなことで……。

 水商売をしていて部屋が決まらずに困っている子も多いんですよね。ただ、前に働いていた不動産屋では外国人向けの物件が中心だったので、水商売の子が借りられるような部屋の情報がなかなかなかった。それで、クレスタを紹介してあげたりしていたんですよ。

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