引きこもりだった僕が親の会社を継いだ理由。父と真逆の経営方針
引きこもり経験者が感じとる、若者の“生きづらさ”
現在は対人関係の苦手意識もだいぶ克服できたという林田さん。今の若者を取り巻く状況をどのように見ているのでしょうか。
「インターネットが普及して、SNSとかが個人の多様性や社会的な立場、考えてることが可視化したことで相互に監視し合う緊張感がありますよね。僕の引きこもり時代より遥かに窮屈なんじゃないかな。
今の若い子たちの中にはLINEの既読スルーを気にして思い悩むみたいですけど、それを聞くと自分が10代の頃にLINEがなくて本当によかったなって思います(笑)」
かつて引きこもりと呼ばれる人たちにとって、ネットワーク上のコミュニティは避難所でしたが、今では多くの人が参入することで、わずらわしい居づらい場所に見えるそうです。
林田さん自身、引きこもりの過去を「逃げ」や「甘え」だったと振り返りますが、自分らしい社会との関わり方を知り、それを経営に生かしている点では、むしろ引きこもり経験も必然だったのかも知れません。
<取材・文/石井通之>